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編集室より

◎麦の統制が撤廃され,やっと家畜の世界にも明るい光がさして来た様な気がする。統制時代は余った麦も思う様に使えなかったが,自由になると早くも南部の或る郡では,南部の麦と北部の牛とを交換して,無畜農家を解消しようと計画していると聞いた。安い麦を売って高い麩を買った畜産人の苦しみをもう一度くり返したくない。それにしても飼料需給調整法案は各党で必要性を認めて検討し,職員提出に迄決定して置きながら最後の線に来て停滞しているのはどうしたことか。まさか国会解散を前に軍資金の調達用に温存しているのでもあるまい。安い飼料を流すことは消費者に安い畜産生産物を供給することによるのである。国民と共に栄える政治力がほしいものである。
◎酪農経営を根本的に検討する時が来た。立地条件を無視して入った酪農はボツボツ脱落し始めた。然し飼料自給態勢の出来ている地帯は益々発展している。たまたま果樹園地帯に乳牛が入ったから果樹園酪農であり,水田地帯へ入ったから水田酪農と呼んだのでは真の酪農の存在価値は無くなるし,時の動きによっては脱落する酪農に終るのである。従来の農業経営と混全一体となり,相互に完全に結合した酪農であって,両者が互いに助け,助けられて成立してこそ始めて果樹園酪農であり,水田酪農であるのである。立地条件と相互のつながりをもう一度検討してゆるぎのない酪農経営を確立したいものである。
◎全国にさきがけて鶏の共済事業が開始された。養鶏岡山の名声と共に確かに新しい構想として天下にほこり得るものである。鶏は有畜農家創設事業からはオミットされたが,相互扶助の美しい精神を見出したことは養鶏界の為めに洵にうれしいことである。この精神を発展さして養鶏団体も統合して,養鶏岡山の名をいやが上にも挙げられるよう祈ってやまない。