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原因不明の霧酔病の調査始る

 去る5月15日から11日間に亘って鳥取,島根,岡山,広島の4県に於いて,霧酔病の調査が農林省主催のもとに調査関係者により行われた。この調査の結果については,去る6月4日東京大学において調査関係者集合の上打合せ会が開催され,次の通り調査の結果(要点のみ)が発表された。今後の調査については国と県とで協力する事になり,明年度の国の予算に計上すべく努力中である。
 なお中間報告については近日中に農林省から発表される予定である。

総括

 所謂霧酔病の原因として次の事項が考えられる。
一.栄養失調に基づくもの
二.日射病,熱射病によるもの
三.食中毒(食い合わせ,腐敗食物によるもの)
四.犢バラ,寄生虫等他の疾病によるもの
五.ネジキその他の有毒植物の採食によるもの
 これらの原因によって体力消耗した牛は気象激変に堪えることが出来ず所謂霧酔病になるものと考えられる。即ち気象激変は本病発生に対する重大な誘因となる。
 なお,細菌,病毒,リケッチャ,病理組織,土壌の調査の結果が明らかになればこの見界に一歩進めることができると思うが現状で判断すると本病の原因は多元性の如くである。

予防対策

一.冬季間の栄養改善
二.放牧前の予備訓練
三.気象激変を予知して,これをさけるよう舎飼いとする。
四.誘導牛に鈴をつけ,放牧地に於ける牛の所在を明らかにして,前項を便にすること。
五.放牧期を多少遅らせ気象激変期の放牧を避ける。
六.放牧前の健康検査を励行する。

今後の調査事項

一.発生地域内外の飼養管理状況の比較調査
二.発生地域内外の気象状況の比較調査
三.発生地域内の年令別,性別,放牧頭数とこれに対する発病率,致死率
四.放牧地の植物の種類と採食量の調査
五.感冒その他の疾病に罹った牛の植物嗜好性の変化
六.発病から快復(或は死亡)までの全経過の把握
七.発病牛と非発病牛の胃内容の比較検討
八.解剖例数を増加して病因学的分類を行う。