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編集室より

◎牛の歩みも50年,岡山種畜場も50歳になった。その歩みは決して単調なものではなく,場員の絶えない努力と研究の結晶の賜物であって,畜産の途を歩む者はその労苦に対して深く感謝の意を表すると共に,更に将来の御発展を祈ってやまない。
◎順宮様と池田隆政氏との御婚儀も無事終了した。牧場主として池田氏の存在は畜産界に大きなプラスとなることである。その牧場を守り立てて行くことが吾々畜産人に課せられた責務であると考えるのであるが池田新夫人を物珍らしく見物する人のみ多く,牧場の将来を考える人の少ないことは残念なことである。畜産人として温かく育み,牧場の発展を祈りたいものである。
◎農林省の畜産局に経済課が新発足した。酪農関係はこの課に入ったらしいが生産から消費迄一貫した行政が願わしいものである。分割された行政に発展は無く,割拠主義はいたずらに仕事を煩雑にし,枠の中で重箱の隅を掘る様な事しか出来ないものである。新課を造るばかりが発展ではない,伸びる為めには大きな心になってセクショナリズムを解消したいものである。
◎ユニセフの脱脂粉乳は10月か11月で切れる筈である。学童給食に脱脂乳を活用すれば45円の乳価は維持出来るし,300円のバターが市場へ出廻ることは判って居乍らこの問題に対する声が無いのはどうしたことか,中央団体はもう少し文部省と交渉して国内生産者を擁護してほしいものである。