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畜産ニュース

牛のトリコモナス病に新薬伝研細谷博士が発見

 今まで子宮洗滌以外に全く治療法の無かった牛のトリコモナス病に徹底的な効力を示すと思われる新抗生物質トリコマイシンが発見され,年々畜産界が受ける損害が消滅されるものとして期待されている。
 これは去る6月伝研細谷第一細菌研究部長が東京都下八丈島の宇喜多秀家の墓地附近から取寄せた土中より採取された放線状菌で,ペニシリン,ストマイに比肩し得る抗生物質であり,現在まで抗生物質では欧米の追随ばかりしていた日本医学界では世界に誇るべき初めての発見となったわけでもある。
 新抗生物質トリコマイシンの今までの実験結果では,大腸菌,ブドウ状菌,酵母脾脱疽菌などの発育をすべて阻外した外トリコモナス原虫の発育をも完全に阻止溶解することが発見されている。動物実験では,トリコモナス原虫のいる廿日ネズミの膣腔に注射したところ,わずか0.025ミリグラムで原虫が12−24時間以内に死滅し,又局部治療法によっても13人例中100%の原虫消滅も明らかにされている。