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畜産ニュース

─卵が先か,鶏が先か─

 物事が互に因となり果となってこれを反覆することを,卵と鶏にたとえて「卵が先か,鶏が先か」と俗に言っている。まことに面白い言い方ではあるが,さてこれを科学的に見たならばどうかということになると,養鶏家でも案外気をつけずに済ましている場合が多い。
 話は大分飛ぶが,今を時めく養鶏界の花形白レグは,かっ色レグホーンからできたもので,このかっ色レグホーンも,もとはといえば白色スパニッシュ種の突然変異によって出現したものだとの説がある。この説の真偽の程は請合えないが問題は,この「突然変異」ということである。もともと鳥類は,虫類から進化したものであることは確かで,最初に世に現われた鳥は19世紀の中頃化石として発掘された始祖鳥のようなものであったろう。それが大,小様々な突然変異を重ね重ねて色々な鳥類に分化し,いつかキジのように進化した鳥から突然変異によって,或る時代にひょっこり鶏が生じたものと考えられる。この親は決して鶏ではない。卵子か精子かいずれかの性細胞に突然変異が起り,これらが合体してはじめてここに鶏となるべき受精卵ができたものと推測される。即ち鶏としての世代が始まったのは卵からということが分る。
 このように考えると,鶏よりも卵の方が先にできたという結論になり,卵と鶏の先祖争いもどうやら解決できるようである。なお,突然変異はこの場合のように性細胞内で起ることが多いが体細胞内で起ることがないわけではない。ただ前者は遺伝するが後者の場合は遺伝をしないという大きな相異がある。参考までにつけ加えておく。
 と,種鶏時報第1号は報じている。