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家畜の流産を防ぎましょう

 毎年妊娠した家畜が妊娠中途で流産している例は大変な数であります。家畜の増殖が強く叫ばれている時でありますから,流産を予防して一頭でも多く健康な仔どもを生産することは非常に大切な問題であります。然し一般には流産の問題は比較的軽く考えられていますし,これから比較的流産の多い時期になりますので,この問題につきまして2,3気のつきましたことを記してみます。
 流産を起す原因を考えてみますと,一番多いのが飼い方の悪い為めに起る一般性流産でありまして,次はブルセラやトリコモナス等による伝染性の流産であります。
 家畜は春から夏にかけてよく戸外に出されますし,好物である青草も充分に与えられますので,飼料的には割合適当な飼い方がされていますが,寒くなるにつれて外へ出す事が怠り勝ちになったり,食べ物も藁のようなものが主となりますので栄養が不足して来ますし,又霜にぬれたものを食べたとか,醗酵し易いものが与えられ易いので下痢をしたり,鼓腸症の様な消化器の病気を起し,それが原因となって流産が起ることとなるのであります。そこで妊娠した家畜はつとめて外に出して充分日光浴をさせ,適当な運動をさせると共に,飼料の給与についても特別気をつけて頂きたいと思います。