〔共進会〕

　去る12月11日，12日の２日間京都市に於て，第１回近畿連合肉牛共進会が開催され，幸い視察の機を得たので，若干の資料と所見を併せ，参考までに掲載する。
　京都府，兵庫県，各畜連及び滋賀県経済連の共催により実施され特に，肉牛審査標準作成小委員会において，年余に亘り検討中であった，肉牛審査標準が，本共進会の前日（12月10日）別表のとおり決定を見，その直後の共進会であった点から，全国的に肥育事業並びに，肉牛の指標を求める意味で，意義の深いものであった。
　出品頭数は京都16頭，滋賀15頭，兵庫10頭計41頭であった。
　この出品牛の測定成績を示せば別表のとおりである。
　出品畜は，兵庫県産のものが大部分で何れも１年以上肥育された逸物ばかりであり，特に骨味，資質の点では，本県種牛にとって活目すべきものを認められた。
　只肉質については，屠肉検査が行われなかった為推測の範囲に止まったことは残念であった。
　尚本共進会の経費の大半が出品者によってまかなわれていた点と褒賞授与式の民主的な方法等は，今後の畜産改良施策の上に大なる示唆を与えるものと痛感させられた。
　然しながら，本共進会を通じて，肥育過度と思われるものがあったり，又は従来のノレン等に捉われて，合理的経済的な肥育事業についてはいささか，等閑に付されていると思われる点が認められ，本県肥育事業奨励の上から一層この点について検討を要するものと感じた次第である。（渡辺記）

（別表）