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畜産ニュース

産卵量は全国第6位
養鶏熱高まる

 岡山県下の養鶏熱は飼料の出回り,特需などの需要増に加え農家の現金収入への魅力も手伝って26年ごろから急速に盛んとなり,農林省岡山統計調査事務所が23日公表した養鶏調査では26,27年は毎年約20万羽ずつふえて27年5月(最高時)は92万羽を突破,今年最盛期には120万羽を超えるものとみられている。同調査事務所調べの県下の成鶏メス数は26年秋産のヒナが成鶏となった27年5月は92万9千羽(産卵量1,835万箇)で飼料不足の22,23年にくらべ2倍以上となり,さらに春ヒナが成長した11月には推定127万7千羽となった。しかも県下の産卵率は飼食管理がすぐれており,気候に恵まれていることなどで50%−65%(4,5月が多く8,9月は少い)で全国平均を5%上まわっている。
 このため成鶏数では岡山県は全国の3.5%で愛知,北海道,長野,千葉,埼玉,静岡について茨城と7,8位を争っているが,産卵量では全国比3.8%で千葉を超え第6位をしめている。ところで昨年の卵価暴落と飼料値上りで自家飼料によらぬ専業養鶏家の採算は一時赤字となったが,その後の相場回復で1月末の採算は卵100匁当り配合飼料代約45円,収入70円−75円(岡山市卸値)で大幅な黒字となり,トウモロコシ,小麦など輸入飼料がつづく限り,まず心配ないものとみられているが,県産ものの6割を仕向ける阪神市場で岡山県ものは1箇当りの単価の高い粒大卵が多いため敬遠されがちだし,汚卵ものが多いため他県のものより買いたたかれる傾向が目立っているから汚卵でないものがのぞまれている。