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仔めん羊の育成

仔めん羊の飼い方

 仔めん羊は生後10日も経つと脚が丈夫になって,親の周囲を喜んで飛び廻る様になるが,直接寒気や賊風に当てると往々にして感冒にかかることがあるから乾いた蓐草を十分与え,日中暖かい日には日光浴をさせ,羊舎内は保温と換気に注意することが必要である。
 仔めん羊は生後2−3週間もすると飼料を食べ始めるから,消化しやすくて栄養分の多い乾草,米糠,麩,粉砕した穀類等を与えて早くから飼料に慣らす必要がある。これらの給与量は最初少量から成長に従って漸次増加すべきだが,脂肪分の多い飼料を多く与えると肥満しすぎて筋肉の発達を妨げ,かえって体質を弱くする傾向がある。
 飼料を与える場合は仔めん羊柵(板又は竹で仔めん羊の出入し得る程度の格子をつけた高さ3尺位の柵)といって,仔めん羊は自由出来るが母めん羊は出入出来ない柵を,羊舎の一部に設置して小区画を設け,その中に草架,飼槽を備えつけて,母めん羊に圧迫されず仔めん羊だけで静かに採食し得るようにする。

断尾

 めん羊の断尾は臀部に糞尿やその他の汚物が附着するのを防ぎ種雌めん羊の種付を容易にする意味において必ず行わなければならぬ,断尾は生後1週間か10日位の間に行うと作業も容易であり切断した傷口も早く癒える。断尾しようとする場合は天気の良い無風の日を選んで行うのがよい。其の方法は種々あるが普通小刀と断尾器が用いられ,小刀を用いる場合も断尾器の場合も何れも助手に仔めん羊を捕えさせ前後肢を左右別々に握って保定させ尾根の部分を麻縄の様なものでしっかり縛って予め出血を防ぎ第2−第3関節との間を鋭利な小刀で一気に切断後烙鉄をあてて血管を塞ぎ縛った紐を解けばよい。
 次に断尾器の場合は断尾器を赤熱程度に熱して同様前にのべた部分から挟み切る。此の場合適当の大きさの板に円い穴をあけ之を尾に通して断尾すれば体の他の部分を焼く心配がなく一層安全である。断尾後は傷口にはヨードチンキ,又は木タールを塗布すると安全である。