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第2回岡山県北部畜産共進会
池田夫妻を迎え盛大に開催


惣津畜産課長の説明を聞く池田夫妻

 去る3月12日第2回岡山県北部畜産共進会が美作畜連協議会主催で津山市小田中家畜市場において池田夫妻を迎え盛大に開催された。今回の出品頭数は馬8頭,めん羊32頭,山羊30頭で,その成績は審査報告のとおりであるが総体的には前回に比較して粒も揃い一般に向上の跡が認められた。
 今回の審査には特に斯界の権威者である農林省宮崎種畜牧場藤岡技官,日本緬羊登録協会関沢事務局長を特別審査員として来県を願い下記陣容で審査を行った。


めん羊審査会場

 特別審査員 農林省宮崎種畜牧場技官
             藤岡 勝次
 〃 日本緬羊登録協会事務局長
             関沢 乙吉
 審査長 畜産課長    惣津 律士
 種馬 畜産課      花尾 技師
 〃           神野 技師
 種めん羊 津山畜産農場 馬渡 場長
 種山羊 畜産課     加本 技師
     〃       小島 技師
     農業改良課   佐々木技師

 審査終了後藤岡技官,関沢事務局長を講師としてめん羊,山羊の登録講習会が同会場に於て開催された。受講者は地方事務所,農業改良普及員,市役所,畜連及び町村担当技術員,一般で150余名で多大の感銘を与えた。
 この講習会は斯業推進の上から非常に得る所が多く,時間の少なかったことは一般聴講者からおしまれた。

審査報告

 本回の出品家畜は馬,めん羊,山羊でありまして,出品区域は作州5郡を範囲としていますが特に馬は阿哲郡も含んでいます。頭数は馬8点,めん羊32点,山羊30点であります。各家畜別の審査所見を次に述べてみたいと思います。

種馬

 審査は中国種馬登録協会審査標準によって中型農馬の体型で飼いやすい健康な持久力に富んだ馬を標準として審査しました。体高147p、胸囲率116以上,管囲率12.5以上の体格標準を基礎としました。出品馬は前回に比較して体型資質とも揃っており改良進歩の跡が認められます。これを出品郡別にみますと苫田郡3頭,真庭郡3頭,阿哲郡2頭,計8頭であります。出品馬は大体において上体は均整がとれているにもかかわりませずあし及び蹄が悪いために全体的に不均衡のものが,かなり見受けられました。特に飛節不良のため軟腫を有するもの又蹄形の不正なもの,歩様不確実なものが多く認められましたので特に護蹄について御注意願いたい。
 次に上位入賞馬の短評をこころみてみたいと思います。1等賞7号馬は品位に富んで,身体各部の均衡宜しく特に肢蹄が堅ろうであります。胸巾,肋張り等は申分がありませんが歩様に幾分難点があります。2等賞1席6号馬は体型,地低にして体高,胸囲,管囲も体型標準に合致していますがやや品位及び身体の緊りに乏しく幾分過肥で運動がやや不足気味で飛節が幾分軟弱のきらいがあります。種馬は使役,蕃殖を目的とするため,後躯の発達と肢蹄の堅ろうであることが望ましいので,今後飼養と共に運動を充分行って優良馬の増産になお一層の努力を望みます。


1等 馬第六日進号

めん羊

 審査方法は日本コリデール種審査標準によりました。総数が32点でうち牡が6頭ありました。これを郡市別にみますと,苫田11,久米6,真庭,英田各5,勝田4,津山1であります。概評しますと前回に比べて進歩の跡が著しく優劣の差が少ないと思います。然し今少し改良を要する点をあげますと,上位入賞のものを除き一般に体積に乏しいことと品位に富んだものが少いことであります。特に牡は牡らしく,牝は牝らしい点が欠けている様に思います。
 羊毛に就きましては概して良いと思いますが,強いて言いますれば毛の弾力と光沢に乏しいものがありました。又羊毛に色がついているもの,粗毛が交っているものも若干あり,番手は標準を越えて細いものがありました。体の部分について申しますと胴伸びの足らないもの,巾に乏しいもの,後躯の発育の悪いものがありました。特に肢蹄は一般に手入れなり発達が悪いのが目立っていました。
 以上を総合して今後改良すべき点をあげますと,先ず体積の増大をはかることで,栄養を改善することも必要であります。今一つは羊毛の質の均一度並びに状態を改善すべきであると思います。この為には飼養管理技術の普及徹底を図ると共に尚優良種畜に依る改良方法を求める必要があると思います。又登録の実施は是非必要なことと思います。


1等 1席 めん羊みつ号

山羊

 審査方法は日本ザーネン種審査標準によりました。総数30点でうち牡は1点でありました。郡別に申しますと苫田4,勝田11,久米10,英田5でありました。
 概評しますとめん羊と共に前回より非常に進歩してきたと思います。特に上位入賞のものは発育状態も乳房の状態もよろしい。而し未だ一般に揃って良くなっているとは言い難く特に品位や乳房,体積に見劣りするものが多くありました。又育成の時に運動不足の為肢蹄の弱いのが多いのは遺憾であります。
 以上を総合して今後改良すべき点をあげますと,今後一層質の改良と育成の研究に重点をおき優良種山羊の導入確保を図ると共に登録を実施することは極めて肝要なことであります。育成に当っては飼養管理に関心を払い丈夫で能力を充分発揮する様な山羊を作るように心掛けて頂き度い。
 入賞は馬では1等から3等まで6点,めん羊及び山羊は1等から3等まで各20点宛としました。
 夫々について擬賞される様望みます。


1等 1席 山羊はるひめ号

郡市別入賞頭数
 家畜別 め   ん   羊 山       羊
郡別 1等 2等 3等 4等 1等 2等 3等 4等 1等 2等 3等 4等
阿哲 1 1 2
真庭 1 1 1 3 2 2 1 5
苫田 2 1 3 3 4 4 11 1 3 4
久米 1 3 2 6 2 5 2 1 10
津山 1 1
英田 2 3 5 4 1 5
勝田 1 3 4 3 8 11
1 2 3 2 8 2 6 12 12 32 2 6 12 10 30

受賞目録

第1部 種馬

1等賞
 農林大臣賞状
 岡山県賞状並金牌
 日本畜産会賞状
 畜産技術連盟賞状
 中国種馬登録協会賞状並賞金1,000円
 中国種馬登録協会岡山県支部賞金1,000円
 岡山県畜産連合会賞状並賞品

出 品
番 号
名   号 血       統 生年月日 毛 色 出品人住所氏名
7 第六日進 父アノ 要杉
母中半 第五日進
25・3・24 阿哲郡菅生村
   上 田 朝 義

2等賞
 岡山県賞状並銀牌
 中国種馬登録協会賞状
 中国種馬登録協会岡山県支部賞金500円

出 品
番 号
名   号 血       統 生年月日 毛 色 出品人住所氏名
6 花房 父中半 松初
母 〃  住吉
25・4・3 真庭郡川上村
    池 田 房 次
5 南海 父アノ 要杉
母重半 秀和
25・4.27 阿哲郡上刑部村
    佐 藤 一 雄

第2部 緬羊

1等賞
 農林大臣賞状(首位)
 岡山県賞状並賞品
 日本緬羊登録協会賞状
 日本緬羊協会賞状
 日本畜産会賞状
 畜産技術連盟賞状
 日本緬羊株式会社賞品
 岡山県畜産連合会賞状並賞品(首位)

出 品
番 号
名   号 生年月日 出  品  人  住  所 氏   名
1 みつ 25・3・15 真庭郡川上村 谷 田   充
20 たいら 27・3・31  〃 八束村 野 尻 平太郎

2等賞
 岡山県賞状並賞品
 日本緬羊協会賞状
 日本緬羊登録協会賞状
 日本緬羊株式会社賞品

出 品
番 号
名   号 生年月日 出  品  人  住  所 氏   名
26 山岡 27・4・18 久米郡大垪和村 平 岡 慎太郎
3 とくやま一 26・3・10 真庭郡八束村 徳 山 重 行
5 よし 26・3・20 苫田郡加茂町 岡 田   剛
4 なか 26・3・15  〃  〃 田 中 寿 男
18 ことぶき 27・3・5 真庭郡八束村 有 富 正 男
7 みやま 26・4・8 苫田郡加茂町 寺 元 康 治

第3部 山羊

1等賞
 農林大臣賞状(首位)
 岡山県賞状並賞品
 日本山羊登録協会賞状
 日本畜産会賞状
 畜産技術連盟賞状
 岡山県畜産連合会賞状並賞品(首位)

出 品
番 号
名   号 生年月日 種  類 住      所 氏   名
15 はるひめ 26・3・19 ザーネン種 久米郡加美町 杉 山   漸
4 浅九一 24・4・17  〃  為 国 統 武

2等賞
 岡山県賞状並賞品
 日本山羊登録協会賞状

出 品
番 号
名   号 生年月日 種  類 住      所 氏   名
24 第一くんぷう 27・4・16 ザーネン種 久米郡打穴村 福 井 与 一
18 やすこ 26・4・1  〃 倭文村 高 木   覚
6 しろがね 25・3・16  〃 大井町 佐々木 敍 一
22 はくせつ二 27・3・15  〃 加美町 延 原 哲次郎
21 あほい 26・6・1  〃 打穴村 山 田 蘇 造
16 山富 26・3・28 苫田郡鏡野町 片 尾 達 人