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近況報告

岸 良一

 新議員の抱負を述べるよう求められましたが,議員になったからと謂って平素の所信が変るわけでもなく,皆様も選挙等を通じてよく御存知のことと思いますし,言うまでもなく,主として畜産界の皆様のお薦めによって出馬し皆様の御好意と御努力によって当選することが出来た私なのですから,文字通り畜産代表を以て自任している次第でもありますので,今日は当選後の身の振方等につき近況を報告申上げて御了承を得たいと思います。
 ご承知の通り私は無所属を名乗って立候補したのですが,当選後国会内の事情を総合的に考察して居りました所,無所属議員は漸次減少の兆を示し,しかも残留する無所属議員も夫々派によって分れる傾向が見え,今後更に純無所属を固執する場合は,議会内の孤児的存在となり,情報も得難く,又発言,活動の機会も逸し,折角御支援下さった皆様の御期待に添うだけの活躍も出来かねると思われましたので,諸先輩及び関係者各位の意見を聴し,熟慮の末,無所属的性格を有し,しかも個人の自由を尊重する緑風会に入会することを決意した次第です。
 従って私が平素抱いている政見は毫もゆがめられていないと言うよりはむしろその実現を期するため最も適当な道を選び得たものと固く信じております。
 次に常任委員のことについて報告致しましょう。私としては勿論農林委員を第一志望として折衝したのですが,緑風会に割当られた農林委員の数は僅か4名という所へ希望者が多数にのぼり,その銓衡は非常に困難を極めたようでした。その経過には色々複雑な事情もあったわけですが,今更そのいきさつを弁解がましく述べたてることは避けたいと思います。兎に角選ばれる農林委員の中に河野謙三君や北勝太郎君のような畜産の良き理解者が入っていることが確認できたので,そららの人とタイアップし,畜産をもっと広い分野で総合的に発展させることも当を得た形であると思いましたので,予算委員と通産委員を引受けた次第です。
 今更申し上げるまでもないことでしょうが,何党何派に属しようとも,何委員をやろうとも,私は農村の福祉,畜産の振興を考えないでは居られないのですから,総ゆる機会を掴んで私の所信を遂行させることに努力することに変りはありません。
 然し,国会内に於ける畜産勢力というものを見ますと,頗る稀薄であり,寥々の感がありますので,この点は充分御理解の上,力強く皆様が協力して私達を導き且つ支援されますようお願い致したいと思います。(筆者は全国区当選の参議院議員である。)