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畜産ニュース

野獣牛疫類似症

 県北部特に阿哲郡,真庭郡の放牧地帯に梅雨期を中心として古くから野獣牛疫に類似した病気が発生している。井谷一二氏はこれを野獣牛疫類似症と称していたが,本年に入ってから真庭郡美甘村,新庄村に数頭発生した旨,家畜保健衛生所美甘支所から連絡があった。その内の一例について見ると次のようである。
 禀告 6月18日部落の牛と一緒に昼夜放牧したが,放牧後連日降雨があり,1週間後の6月25日放牧場へ観視に行くと,少々元気が衰えているので索入れ飼付せるも,食欲なく衛生所へ来診方乞う。
 症状 体温38.8度,呼吸20回,脈拍48−54,食欲全廃,反芻停止し皮温不整,鼻鏡乾燥し,結膜は赤褐色を呈す。腸の蠕動は亢進し,タール様の下痢便を排す。顔面特に上眼瞼が腫張,6月29日に至り胸部皮下に水腫を生じた。胸部打診により右葉に著明な濁音部を呈した。
 以上の病徴により野獣牛疫類似症と診断した。この牛は30日治癒困難と診断し解体した。