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畜産ニュース

血入卵は遺伝

 よく卵を割った時に白身の中に少し血が入り交っている事がある。
 こう言う卵を血入卵と言い,種卵にはもちろん,食用にも余り好かれない。
 厳密な市場取引では,相当不利になる事もある。
 一体この血入卵というのはどうして出来るのだろうか。今までは,卵巣から卵が出るときの出血,或いは又鶏が急に何かにおどろいた時に出来ると言われていたが,最近の研究では,こんなことはメッタになく,殆んど大部分は,卵巣の中にある濾胞と言うところで出血している場合であることが判った。もちろん幾分かは環境により影響を受けることもあるらしい。
 そしてこの血入卵は,血の入っている卵のヒヨコだけが血入卵を生むと言うことではなく,血入卵を生む母鶏の子は皆血入卵を生むという遺伝性をもっている。だから,どうしても血入卵を生む傾向のある鶏をよく調べて淘汰しなければ,血入卵をなくする事は出来ない。

(岡崎種畜牧場・磯貝技官)