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牛の流行性感冒

 秋になって家畜も暑い夏から解放されほっとしている事でしょう。しかし家畜の病気は秋になったからといって衰えるものではありません。気候の変り目がかえって病気にかかり易い時期ですから,より一層気を付けて頂きたいと思います。
 秋に発生しやすい家畜の病気に牛の流行性感冒があります。この病気は御承知の様に昭和24年から3ヵ年続いて大流行しました。岡山県では25年に4万4,000頭,26年に1,200頭,発生して県下の養牛家に大恐慌を与えました。一昨年は咽喉頭麻痺のものが多く年を追う毎に病状も悪化しております。幸にして昨年の発生は少なかったですが。今年の様に暑い夏を経過した後には特に警戒しなければなりません。この病気は8月下旬から9月にかけて一番流行する時期ですからこれからしばらくの間は特に牛の状態に気をつけて頂きたいと思います。
 この病気の病源体は濾過性病毒でありまして,病毒は血液や鼻汁,唾液糞尿等に沢山含まれています。これが人や家畜や吸血昆虫等によって他の牛に伝染致します。従って感冒を起し易いすきま風を防ぐと共に飼料の急変をさけ,吸血昆虫を駆除するように努めましょう。従来の例から見ますと栄養のよい,よく運動させた丈夫な抵抗力の強い牛はあまりかかっておりませんが,家の中にずっとつないで殆んど運動させてない牛がよくかかり死亡率も高い様ですから,特にこの点に御注意願います。
 流感の症状としましては,前夜迄何等変化がなかった牛が翌朝になって突然40度から42度位の高熱を出して,食欲や水のみは次第に減り,遂に全くなくなります。鼻さきは乾燥して居りますが,鼻からは最初水の様な鼻汁を流し,症状が進みますと黄白色の膿の様な鼻汁を出す者もあります。眼は瞼が腫れて,その内側の結膜は充血して赤くなり,涙を出します。呼吸は一般に早くなり,又咳をする牛が多いようです。病気になった牛の多くは足の関節などが腫れてこれにふれますと熱があって疼痛を感じます。このほか一時的にビッコになったり,或は腰がフラついて立ち上ることができなくなる場合もあります。又中には咽喉の麻痺を起して水も餌も飲み込むことが出来なくなる重症のものもおります。
 ですから牛が少しでもおかしい状態の場合は早目に獣医さんにみて頂きましょう。