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9月の飼養管理メモ

牛の流行性感冒

 牛の流行性感冒の流行期になりました,今年は型の変ったものがありますから朝夕牛の観察を怠らず,食欲の不振,発熱及び乳の激減などの徴候があった場合は,なるべく早目に専門家の指示をうけることが大切です。
 そして1頭でも感冒から防ぐようにしましょう。

乳牛仔牛の離乳

 3月に生れたメス仔牛の離乳期です。離乳期に入る前に早目に飼料に馴らし,離乳してから消化器の病気を起さない様に注意しましょう。特に離乳期の下痢は悪質のものが多いですから気をつけましょう。

和牛の去勢

 生後7ヵ月から1ヵ年位しますと牡仔牛の去勢の時期になります。今春2月に生れた牡仔牛はこの頃から去勢の適期に入ります。出来ますれば春秋の2季において行い夏や冬はさけるようにしましょう。

馬の離乳

 仔馬は生後6ヵ月位哺乳してから離乳するのが普通ですから3月に生れた仔馬はこの頃から行うとよろしい。離乳期の管理は,他の家畜と同様に特に注意しなければなりません。

豚の分娩

 5月頃に種付したものは9月が分娩期です。豚舎を清潔にして敷藁を十分与えましょう。

豚の病気

 豚の伝染病中最も恐ろしい豚コレラや豚丹毒が9月から11月上旬にかけて,各地で発生しやすいですから,豚舎を消毒していつも清潔にたもって予防に万全を期しましょう。

めん羊の種付

 めん羊の発情は9月から12月頃にかけて強く現われますから,この期間に種付を行うようにしましょう。種付は共同種付によって種付が完全であったかを必ず確かめておきましょう。良い仔羊を得るには優秀な種牡羊を使いましょう。そして登録してあるめん羊は種付証明書を貰っておきましょう。

めん羊山羊の腰麻痺の防止

 8月から県下にめん羊山羊の腰麻痺が散発しております。発生を防止するために予防注射を行いましょう。
 そしてこの病気は蚊の媒介によって伝ぱしますから,特に蚊を防ぎましょう。
 突発的に歩様がチドリ足になったり,後肢の運動ができなくなったり,発熱しましたら急いで専門家に見せましょう。

駄鶏の淘汰と管理

 8月に引続いて産卵の悪い鶏は淘汰しましょう。この時期の鶏は一般に食欲が減退して衰弱しやすいですから,管理に特に注意して,羽換えはできるだけ短期間で終るようにしましょう。

飼料作物の収穫

 青刈トウモロコシ,青刈大豆等の飼料作物は冬の飼料としてサイロへ晴天の日を選んでつめ込みましょう。又乾草調製も8月に引続いて行いましょう。

飼料作物植付

 れんげ,青刈ライ麦,苔,大根,かぶ等飼料作物の植付は秋の彼岸前後がよろしい。農作物収穫の少い畑は飼料圃として利用しましょう。

牧草の播種

 牧草種子をまく時期が来ました。彼岸前後から9月一杯位にまきつけましょう。部落協力して畦畔,堤塘の草を改良しましょう。