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巻頭言

広島の共進会を回想して

惣津律士

 予ねてから中国地方はもとより全国畜産界の話題の中心であった広島市での共進会はとどこおりなく終了し,関係者は一様に肩の荷をおろした感を抱かれている事と思う。皆様御苦労様でした。これまでの御苦心に対しては何んと御礼を申し上げてもつきないものがある。
中国連合共進会では善戦これ努めたが,馬,山羊,豚及び鶏に於ては文句なく敗退した形で,他県の飛躍振りを目のあたりに見て,感慨一入のものがあった。これは指導力の不充分と飼育者の認識の足らない事に基因するものと言うべく,私共としてはこの際もっともっと反省して改良に努力すべき貴重な教訓を得た事を率直に認めざるを得ない。
畜産が農家経済はもとより農業経営上不可欠の要素であるだけに,これ等中小家畜家禽の質の向上には本県としてはお互に真剣に取りくむ必要がある。
併し乍ら全国和牛共進会では都窪郡三須村の守安完一氏の出品牛が栄ある内閣総理大臣賞杯を獲得し、岡山県和牛の地位を確固たらしめた事は,岡山県畜産史上長くその功績を止めるべき近来の快事であった。
共進会は畜産人に取って,まことによい試練場であり,研究の場所である.この道場で獲得した何ものかが,今後の改良へのよりよい資料となる。
人間が科学を無限に進歩せしめる如く,私達は家畜の改良に対して限りない努力と情熱をもっておしみなく注ぎたいものである。次回の栄冠を目ざして頑張りましょう。皆様御苦労様でした。ゆっくり御静養下さい。