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草資源の改良造成

川瀬牧草研究所長
川瀬 勇氏述


川瀬 勇 氏

米国視察状況

 米国と日本との農業は大きな差があるが,しかし米国における農業のうちにも日本に取り入れるものもあると思う。これについて申上げる。
 私は一昨年の秋のニューヨークに行ったが,空から米国を望むとロッキー山脈の東には1つの四角い区かくが330−370町歩位で,1農家1,000町歩位の土地を持っている。しかしシカゴの東部に行くと80−100町歩位である。米国における農家の経営面積は平均80町歩で日本の約100倍である。(日本は7−8反)

中農の経営規模

 私は一昨年の8月13日午後5時オハヨ洲グリーンヴィルのデーターさんの農場について,5日間世話になった。この家の経営は比較的小さく60町歩で中農の代表的なものであった。データーさんの経営面積は次のとおりである。

 森林 10町
 放牧草地 20町
 乾草牧草地 10町
 小麦,トウモロコシ 20町
 計 60町

 飼育家畜は乳牛(ゲルンジー)40頭で,その内28頭は搾乳牛である。このほか七面鶏500羽が飼われている。
 自動車2台,トラック2台,トラクター2台があり,家族は主人が40才前後,22−23才位の青年1人,妻,中学,高校の子供2人である。つまり労働力は2人である。
 データーさんの1年間の純益は125万円から148万円で,自動車が毎年1台買える位の状態である。

大農経営の一例

 米国における一流の酪農家は1,000頭以上乳牛を飼っている。某氏は日本の歌舞伎のまわり舞台を見て,之を乳牛搾乳台に利用して1頭10分位で搾乳し,1回転で20頭−30頭位,台へのせることができる。まず乳房を洗滌して1頭づつ台の上においあげ,搾乳器を取りつけて1回転10分位で搾り終り,すんだ乳牛は地下道を通って牛房へ帰る。2,000頭を7時間交代で15時間位で終る。天井はガラス張になっていて,2階から搾乳状況を見おろしている。又七面鳥を10万羽も飼っている者もおり,放牧地にいる七面鳥を双眼鏡で見ると,1万羽位が1群となって点々と島のように見えていた。

食生活状況

 午後6時からデーターさんの夜の食事が始った。私を入れて6人が食卓につき,まず食前のお祈をしてから食事をした。
 米国における主食は畜産製品である。つまり肉,卵,ミルク,乳製品で,副食としては野菜,ジャガイモ,果物,果汁,従食としてパンがある。データーさんの家の食事もこのようであった。したがって畜産品が米国においては一番売れゆきがよく,酪農は花形である。このため政府も力を畜産にそそぎこれがために草地農業は花形である。(米国ではパン食を主食としているのは貧民階級である。)
 食後における主婦のあとかたづけについて,一例を皿洗についてみても,いかに生活が合理化され,しかもゆとりのある日常生活をしていることがうかがわれる。皿洗は電力による皿洗器で,20−30分間水洗され,20−30分間熱湯消毒,次で20−30分間熱風が送られ,このように1つの器械で順をおって行われ,1時間20分−1時間30分で皿洗はでき,人力による必要もない。
 室内の換気については地下室で旋風機が廻り,各部屋へ,冬は暖風,夏は冷風がおくり込まれるような具合である。

搾乳状況

 朝の搾乳はまず5時頃からトラクターで牛を搾乳舎へおい込む。一度に20頭を入れることができる。牛が入ったらスタンチョンは片隅でレバー1つで20頭全部の首がしまるようになっている。次に子供が噴霧器(押す場合も引く場合も出るようになっている)でハエを落す。この薬品は非常に強力なもので,バタバタとハエが落ちたのには驚いた。米国ではDDTは10年も前から使わなくなり,時代おくれだといっていた。
 薬品で乳房を洗い,その後自動搾乳器で搾乳する。糞は溝の中へ入れられ,溝の中にはトロッコのレールの様なものがあって,これが電力で左右に動いているうちに糞はかたまり,舎外へ運搬される。外に出された糞はエスカレーターによってトラック内へ入れられる。
 搾乳された牛乳は1ヵ所の冷蔵庫へパイプを通って入り,運搬タンクのついた自動車によって持ち帰られる。

乾草の作り方

 草刈器の付いたトラックで牧草を刈り取り,これを青草のまま連続作業によって一定の大きさに圧してかためられる。これを持ち帰えり,乾燥室へ入れて3日3晩で熱風乾燥し,乾草に仕上げる。このようにして出来上った乾草は色もよく栄養価値もよい。

その他

 このほか米国における現況の主なものをあげると次のとおりである。

一.農業機械の発達

 米国における農業機械は相当発達している。

二.農薬は非常によい

 農薬は非常によく出来ていて,DDTはもはや過去の薬となっている。雑草の駆除剤ができていて,従来の草を弱め,その後へ種子をまくことができる。反当3−4,000円位の経費がかかる。
 ササを駆除するには,二葉の時,梅雨前後,8月15日と1年間に3回,2年連続刈り取れば容易にできる。8月15日頃(10日−20日)にはササは根に養分を貯える頃で,生長点(Nugreen)は窒素は50%を含んでいるから,この頃には刈取ると弱まってくる。

三.繊維品は変って来た

 繊維品は変って来ており,天然繊維はも早や不要でナイロン等の時代が近く来るものと思う。現在オーロンAulon,ナイロンNylon,ダクロンDaklonがあるが,オーロンはナイロンよりすぐれている。このため米国では綿花をぬいて牧草に換えている状態である。

四.プラスチック,軽金属の時代である

 1例を油サシにとると,先は合成樹脂になっている。

五.動力にウラニューム使い始められている

 汽車,汽船で産業革命があったが,現今では第2次の産業革命が必ず来ると思う.これと同じく農業革命においては飼料作物が出き,農業は畜産になったが,第2次農業革命が来るとすれば,草地農業が取り上げられて来ると思う.

草資源の改良造成

畑作経営と乳牛収入の比較

 津山地方における畑作収入と乳牛の収入と比較すると次のとおりとなる。
 例えば畑1反で大麦8俵収穫できるとすると,1俵1,300円として1万400円,次で甘藷500貫とれるとすると1貫30円として,1万5,000円である。大麦,甘藷で合計2万5,400円の収入があるが,これから肥料代を差引いたものが純収となる。
 次に乳牛1頭に例を取ると,年間20石搾乳できるとして1升55円の場合,11万円になる。3年に1頭雌子牛を産むとすれば1頭6万円で,1年では3分の1の2万円となる。飼料圃が乳牛1頭に2反必要とすれば,牛乳代11万円と子牛代2万円で13万円となり,反当収入は2分の1の6万5,000円となる。これに畑作経営では肥料代を差引いたが,乳牛の場合は肥料がプラスとなる。これからみても1反分で乳牛は2.5倍で酪農経営がいかに有利であるかうかがえる。

外国での草利用状況

 米国においては牛乳1ガロン(2.5升)出させるのに濃厚飼料1ポンド(120匁)で,麩に換算すれば約麩6合である。
 ジェルシー,ニュージランドなどでは草ばかりで飼っており,草には禾本料牧草が2分の1から3分の2,豆科牧草が2分の1から3分の1位の割合で,1日に乳牛1頭が20−24貫位食っている。これで1斗6升から1斗7升の牛乳が十分でる。
 米国では1斗1升−1斗2升以下の乳牛は草ばかりで飼われている。

乳牛の飼料必要量

 乳牛の飼料必要量を澱粉価,可消化蛋白であらわす計算の仕方によって大なり小なり違うが大体次のとおりである。

乳牛の重さ
(貫)
澱  粉  価
(匁)
可消化蛋白
(匁)
60  325  32.5
80 430 43
100 540 54
120 650 65
140 755 75.5
160 865 86.5
180 970 97

 牛乳生産に必要な量は次のとおりである。

牛乳の容量
(升)
澱  粉  価
(匁)
可消化蛋白
(匁)
6   725 147
8 965 200
10 1,205 245
12 1,448 294
14 1,689 343
16 1,930 392
18 2,171 441

 右の表で一例として百貫の乳牛で1斗2升牛乳を生産しておるとすると,澱粉価は1,448匁に540匁を加えた1,988匁,可消化蛋白は294匁に54匁を加えた348匁の栄養価が必要となる。乳牛1頭は20−24貫までは1日に食べるから,これら草についてみると,禾本科草9貫,荳科9貫を与えた場合,飼料価値は次のとおりとなる。

 澱粉価
禾本科草 9貫×0.1=900匁
荳科草 9貫×0.1=900匁
計 1,800匁
可消化蛋白
禾本科草
 9貫×0.03=270匁
荳科草
 9貫×0.035=315匁
計 585匁

 これからみると,禾本科草9貫で大体100貫の乳牛で1斗2升生産するものに近くなり,濃厚飼料でなくても乳牛を飼うことができる。こういう風であるから我々の畠,牧野をどのように改良しなければならないかについて説明してみたい。

畑作の輪作

 まず畑の場合から説明する。
 実取をする場合は適当な間隔をあけてまく必要がある。勿論青刈でも間隔が必要であるが,できるだけ間隔をつめて栽培する必要がある。これまでの私の研究を総合すると条の間は1尺でよい。2尺を1尺につめれば2倍の収量がある。しかし実取と青刈の異る点は常に考えて行わなければならない。私は2種類以上のものを間隔をおいて,その間に作るような方法より,1種類のみをできるだけ間隔をつめて播き一度に全部収穫して,次のものを植える方法で行っている。

トウモロコシ,大豆,大根、エンバク,ベツチの輪作

一.トウモロコシと大豆の混播

 まず反当トウモロコシ5−6升と青千石,黒千石,茶千石等の大豆を2升位混ぜ合せて,2尺5寸の条間で株間1尺で播くと,同じ穴から(トウモロコシ−2−3粒,大豆1粒位)芽を出して来る。フリントコーンは風に強く,草丈は稍高い。収穫はデントコーンと同じ位である。
 播種は5月25日頃(5月20日−6月1日)に行うと2週間位で発芽する。草丈2尺から2尺5寸の幼い時は雨量を好むが,それ以後は乾燥によくたえると共に高温を要する。このため5月25日頃まくと梅雨の期間に2尺5寸位まで延び,それ以後は乾燥にたえて成長する。90日位で青刈にしてエンシレージにすることができる。収穫期は8月15日−20日頃で,青刈は実をおさえて見て汁液が少しでる頃がよい。このエンシレージは70−75%の水分を含んでいるのがよい。青刈トウモロコシは87%位の水分を含んでおり,1−1.2%の糖分を含んでいる。
 青刈の反当収量は2,500貫位である。トウモロコシを移植すると損である。これは直根がなく横根が発達しているからである。肥料は横に与える方がよい。又横根であるので移植により根の害が多い。このため中耕は2尺までの間隔にしておかないと横根をいためるおそれがある。
 気根の発達したトウモロコシは風に強いと思い研究したが,これは間違で,横根のはりのよいものが風に強い。
 オオバツルマメをトウモロコシと一緒に使うことは反対である。これはトウモロコシに巻きついて,トウモロコシの成育を防げるおそれがある。そこでツルにならない豆を選ぶべきである。
 青刈したものは8月15日−20日頃にサイロに詰める。

二.大根

 トウモロコシと大豆を収穫した後へ大根を作る。青首宮重を用いた。
 なぜカブラを植えずに大根を植えたかというと次のような理由による。
 まずカブラと大根を比較すると,蛋白質,糖分,質の面ではカブラが良いが大根は80−90日で収穫できる。カブラは110−120日かかる。又収量は大根2,000貫,カブラ1,500−1,800貫で大根が収量がよい。これらの点から次の後作の関係から生育期間の少い大根を選んだ。
 4倍体の大根は大きくなるが葉が硬くなるのと,生育期間が長いのと肥料が多く要るので,青首宮重の糖分の多い,収量の多い,早生を選ぶ。
 8月20日−9月5日頃に反当6−7合を2尺間隔で株間5寸に植える。収穫は11月10日−15日頃で反当収量は2,000貫位である。
 トウモロコシと大豆と大根を作った方が収量においても,いもを作る時よりも,蛋白質量においても,澱粉価においてもずっと多いということは,いも過作の時ばかりでなく今後の日本の農業で考えるべき問題である。

三.エンバクとベツチ

 大根を収穫した後へ11月10日−15日頃エンバク反当5升,ベツチ(ザートヴツケン)3升を混ぜて条播する。条間1尺にすれば翌年の5月20日頃2,000貫前後収穫できる。これで1年間に合計反当6,500貫から7,000貫とれる。
 1日に18貫与えると1年間に6,570貫を必要とし,1反で1頭飼えることになる。話半分でも2反に1頭は飼える。
 勿論このように収量をあげるには多量の肥料が必要で,反当次のようになる。

  窒    素
(匁)
燐    酸
(匁)
加    里
(匁)
トウモロコシ 2,000  900 1,200
大    根 7,600 1,800 10,800
エンバク 2,040 750 1,440
   計 11,640 3,450 13,440

 これだけの肥料として厩肥1,000貫,畜尿1,200貫を施肥するとすれば,次のように窒素,燐酸,加里を施肥したことになる。

  窒    素
(匁)
燐    酸
(匁)
加    里
(匁)
厩肥 (1,000貫) 3,900 1,800 4,500
尿  (1,200貫) 7,200 15,600
   計 11,100 1,800 20,100

 これによると燐酸が少いから,過燐酸石灰などを反当10貫位与えれば不足をおぎなうことができる。

ナタネ,ヒマワリ,大豆,大根の輪作

 11月15日頃菜種(レープ)を株間1尺2寸位に移植する。取入は4月10日頃で1,200貫位の収量がある。
 次に4月10日頃ヒマワリを反当2升,2尺−2.5尺の条間で株間1尺に植える。ヒマワリは霜に強いから3月末からでもまくことができる。6月20日頃に取入れれば2,500貫位とれる。これをエンシレージにする。
 その後へ6月20日頃大豆をまけば,8月15日頃800貫位とれる。
 この場合前作としてトウモロコシを6月15日頃にうえた場合は,梅雨が過ぎているから,次には黄キビを栽培した方がよい。大豆1升に黄キビ8合を混ぜて1尺間隔で条播すると50−55日で8月15日頃の種が落ちる少し前に刈り取り乾草にする。
 大豆を8月15日頃取入れた後8月20日−9月5日頃に大根を前例と同様にまくと11月15日頃2,000貫位収穫できる。
 このようにすれば反当合計6,000貫−6,500貫とれる。
 以上2例を取り入れて畑4反を輪作するとすれば第1例,第2例をそれぞれ1反取入れ,他の2反にスーダングラス及びイモをそれぞれ1反栽培して,これをくりかえして行くと4反で3頭は飼うことができる。

田の裏作の飼料栽培

一.稲
二.第1年にはレンゲを播く。
三.うまくいけば反当2,000貫の青刈が取れる。
四.稲苗
五.稲
六.第2年には稲刈後すぐ高畦にして大阪白菜を移植する。
七.3月10日頃に大阪白菜は反当数百貫の収量をあげる。
八.その頃すぐキャベツを移植する。
九.田植前にキャベツをうまくゆけば反2,000貫とれる。大阪白菜もキャベツも家畜が好んで食する。
十.稲苗

本邦草地の段階

 私は本邦草地の段階を次のように分けている。

一.マツ,ツツジ,ササ,ウシノケグサ
二.ススキ,コマツナギ,ヤマハギ
三.トダシバ,メドハギ,ネコハギ
四.チガヤ,ヤハズサワ
五.カゼグサ,ネズミノオ,ミヤコグサ
六.シバ,カラスノエンドウ
七.スズメノカタビラ,カモジグサ,白クローバー
八.オーチャード,チモシー,赤クローバー
九.ライグラス,スイートクローバー,ルーサン
湿地 クサヨシ,ヨシ,ノビエ,カワラケツメイ
砂地 エノコログサ,メヒシバ,カワラケツメイ,ヤハズソウ

−◎−◎−

 日本における草地の80−85%は,1及び2の段階である。
 植物生態学(Ecology)
 植物とその背後の環境は一致する。つまり土壌のよい処には良い草ができ,悪い土壌の処には悪い草ができる。8の段階までに1,2の段階をするには厩肥を反当数千貫必要である。1段階に千貫は要ると思ってもよい。そして段階を1つ1つ進めて行くのが安全である。
 次にこれらの段階を改良して行くのには次のようにすればよい。
 第1段階ではササを年3回刈って,第1にススキとイタチハギをもって来る。
 第2段階ではトダシバ,メドハギ,ネコハギをもって来る。
 第3段階ではケンタッキー31フエスク,ヤハズソウ(Japan Clob er 又はKobe Lesppdeza)をもって来る。又第2,第3段階でクズ(King of grass)をもって来る。
 第4段階ではトールオートグラス,バーズフットトリフオイル(永年草)をもって来る。トールオートグラスはミヤコグサ(2年草)を改良したようなものである。
 第5段階はプロームグラス,カラスノエンドウをもってくる。カラスノエンドウは2年草で葉が円いがスズメノエンドウは葉が細長い。カラスノエンドウとスズメノエンドウとかけあわされた草がカス間草である。
 第6段階ではカモジグサ(Agropyron Semicstatum Agropyron Ciliare),プレーリーグラス(いぬむぎ),ラジノクローバー,メイシバをもって来る。ラジノクローバーは繁り過ぎると消えることがあるから繁った中を取って移植する必要がある。メヒシバを利用して2,000貫収穫して三石の牛乳を生産し,2万円の収入を得た人がいる。
 第7段階より下はオーチャード等牧草を利用する。
 湿地はクサヨシ,ヨシ,ノビエ,カワラケツメイ,ジュズダマ(ハトムギで2回刈)
 砂地はエノコログサ,カワラケツメイ,スイートルーピン,ウイーピンラブグラス,ヤハズソウを利用する。

草地の改良方法

一.開墾

 まず草地を改良する場合開墾できるものはそうした方がよい。しかし経費がかかる。

二.たこつぼ栽培

 次はたこつぼ栽培で改良するとよい。

三.開墾不能な場所は徹底的放牧,刈取,火入等により在来草をいためる

イ この場合土地を利用し乍ら改良して行かなければならない。利用は山羊,めん羊,肉牛,鶏で行ってもよい。鶏は青いものを10−15匁1日に食べるから,200貫草を生産する草地で1坪に15羽はなすと(1羽当0.15−0.2坪)きれいに改良できる。又バークシャーのような黒系の豚を利用するとよい。
 次に牛をつなぎ放牧する場合に用いる。つなぎ棒と移動電気柵について私の考案したものをお知らせする。つなぎ棒は自由に廻転するような次のようなものがよい。又電気柵の支柱として底部の円く凸面になった円錐形のものを利用すると,牛がふれても弾力性があって便利である。18番線から20番線を2段位に取りつけておくとよい。ガイシを取付けるため2−2.5分の板で巾はナットの入る位のものを支柱に取りつける。
ロ 肥料を施肥する。アレニユウスの公式によって土壌のHPをはかり石灰の必要量を出す。
ハ 種子を9月中旬−10月5日頃までに霜の前に播く。
ニ 禾本科反当数百匁,荳科60−100匁を一面に又は条をつけてまく。
ホ 覆土を簡単にする。そして翌年の梅雨前後に1回刈る。

質疑応答

[問1]急傾斜地の草生改良はどうしたらよいか。
[答]或る程度イタチハギ,トゲナシアカヤ,ケンタッキー31フエスキユウ等をもってくる。3−5間位の上下間隔で飼料木を植え,横に条を作って堆厩肥を施肥する。

[問2]デントコーンと大豆の混播で条間が狭いと収量が減り,大豆が黄色になる。3尺にすると大豆が多いが,この混作で条間を狭くすると悪いのではないか。
[答]早くまくとこの傾向が多くでてくる。であるから5月25日頃がよいと思う。2尺5寸位にすると大体デントコーンも大豆も多く収穫できる。

[問3]ササを年3回刈って地下茎まで死ぬか。
[答]2年間続けて刈っても地下茎が死ぬかということは厳密には言えない。

[問4]開墾により草地を改良した場合,雑草が入って来た場合の処置法は。
[答]もう一度開墾するより方法がない。だから直ぐに開墾するよりも,だんだんと牧草で改良して行く方がよい。

[問5]灌木の駆除の方法
[答]人力で掘るより方法がない。米国ではガソリンをまいて駆除している。日本では焼いて掘るのが一番よいのではないか。

[問6]牧野にはヒ蔭樹を設けた方がよいか。
[答]家畜の生理上からも草生のためにも保護増産のためにも,ネムノキ,アカシヤ等で考えた方がよいと思う。

(3月11日講演要旨筆責在記者)