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〔畜産ニュース〕

指定種鶏場及びふ卵業者登録制度今秋から実施
種鶏検査申請書は8月15日迄に

 種鶏資質の向上とふ卵事業の堅実な発展を図る目的で,今秋の種鶏検査から実施する計画で立案中の「指定種鶏場及びふ卵業者登録制度に関する公聴会」が去る6月25日岡山県養鶏農協連合会会議室で開催された。参集者はふ卵業者,種鶏組合長,種鶏場,ふ卵協会,採卵養鶏業者,県養鶏連等の関係者約30名で,熱心に意見が交換され,満場一致で下記登録制度の実施に賛意を表して散会した。
 この結果今秋行われる種鶏検査からこの登録制度が実施されるが,登録条例は来る9月の県議会で可決され,施行のはこびとなる予定である。
 なお本年度の種鶏検査の申請書の提出期限は例年同様8月15日で,種鶏場希望の向は組合代表者又はふ卵業者に申込み,8月15日迄に県畜産課到着で,下記様式によって提出すればよい。

(申請様式)

   年  月  日

     組合又はふ
     卵場所在地
     代 表 者 氏     名 ○印

  岡山県知事   殿
   種鶏検査の申請について
  本年度において下記のとおり種鶏検査
 を受けたいので申請します。

            記
住所 氏名 種類 おす めす 備考
 註 原種,甲種々鶏場の検査申請者の
   住所欄の上部へ原種は◎印,甲種は
   ○印を附すること。

指定種鶏場及びふ卵業者登録制度案の概要

目的

 種鶏資質の向上,ふ卵事業の堅実な発展を図るを目的とする。

用語の定義

1.にわとりは白レグ,横班プリマスロック,ロード,名古屋,ニューハンプ,その他知事が必要と認める品種の雌雄をいう。
2.種鶏とはこの条例による検査に合格し,登録されたにわとりをいう。
3.種卵とは種鶏によって生産された卵をいい,白レグは53g(140匁)以上,その他の品種は50g(13.3匁)以上であること。
4.指定種鶏場とは条例による検査に合格し指定種鶏登録証を交付された者をいう。
5.ふ卵業者とは人工ふ卵器を有し,にわとりの卵を人工ふ化(委託事業を含む)し販売を業とする者をいう。

指定種鶏場の登録

 指定種鶏場の登録の等級及び条件は次のとおりである。

乙種々鶏場

 種鶏10−15羽に対し1坪程度の割合の鶏舎の広さと,それと概ね同じ広さの運動場を具え,血統優良であること。知事の行う白痢及び種鶏検査に合格した種鶏を50羽以上(雌雄の比率は15対1程度)飼育していること。

甲種々鶏場

 乙種の施設のほか産卵調査施設を有すること。血統明確な種鶏を100羽以上(雌雄の比率は乙種に同じ)飼育していること。全種鶏に対し3ヵ月以上の産卵能力調査が実施され,種鶏群がよく整備されていること。

原種々鶏場

 甲種の施設のほか単交配のできる施設を備え系統繁殖に必要な帳簿を備えていること。2代以上の血統明確な種鶏を200羽以上(雌雄の比率は乙種に同じ)を飼育していること。国,県及び団体の行う産卵能力現場調査を受検していること。全種鶏について年間産卵能力調査(単交配及び複交配)を実施していること。
 単交配とは雌15羽程度に対し雄1羽の交配をいい,登録の有効期間は1ヵ年である。

未登録者の取扱

 にわとりより生産された卵をふ化用に販売することを禁止する。

指定種鶏場の遵守事項

 種卵には飼育者を示す記号を標示し,ふ卵業者に販売すること。
 指定種鶏場が種鶏以外のにわとりを飼育するときは知事の認可を得なければならない。(この場合指定種鶏場の採卵鶏は白痢検査を受けなければならない)

指定種鶏登録手数料

 登   録 1件につき 500円
 変更の登録 1件につき 100円
 更新の登録 1件につき 300円

ふ卵業者の登録

 ふ卵業者は知事の定める事項について登録する。登録の有効期間は1ヵ年とする。未登録者の業務は禁止する。

ふ卵業者の遵守事項

 種鶏以外のにわとりの卵を人工ふ化することを禁止する。ふ卵器の消毒をふ卵開始5日以内に実施すること。

ふ卵業者の登録手数料

 登   録 1件につき 1,000円
 変更の登録 1件につき 100円
 更新の登録 1件につき 600円

補則及び罰則

登録の取消又は営業の停止

 この条例に違反したときは業務の全部又は一部の停止を命じ又は登録を取消することができる。

罰則

 この条例に違反した者及び業務停止期間中に業務を行った者は2万円以下の罰金刑を科す。