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〔落穂〕

三.人の動き

 6月の異動で当場から酪農関係者に馴染深い今本技師と耕作係主任として大きな成果を挙げてくれた三秋技師をそれぞれ畜産課に送った。会うは別れの始め,早いか遅いか何れにしても何時かは別れなければならないものであるが朝早くから夕方遅くまで苦楽を共にしている現場勤務の吾々同志間で馴れなければならない時の感慨は事務官庁勤務の場合とは自ら趣を異にして何んだか割り切れない一抹の淋しさを何時ものことながら味わさせられるのが常々のことであるが今回の転出は何れも県内でしかも両君揃って本県畜産史に画期的な異彩を放つ高度集約酪農の建設に専従することになり一は県庁内でその緻密な企画性と多年に亘る現場勤務の体験を以って又一は俊敏な観察力と稀に見る努力家この両者内外相呼応してジャージーにその全精力を傾倒することにありその戦果を眼近に見うけられることはこの別離の悲哀といえば余りに感傷的な表現かも知れないが多分にこの悲哀を打消してくれることは有難いことである。
 次に同様今回の異動で畜産課より老練豁達な花尾技師を業務主任としてまた津山畜産農場より種畜係主任として明朗剛健果断な渡辺技師を迎え得たことは望外の幸である。