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編集室より

◎ジャージー地区遂に決定,町村への割当から,部落,個人割当迄決定して受け入れ準備を進めている。惣津廻廊と言う言葉が出来た程の難行であったが兎にも角にも無事芽出たく産れたことは何よりである。決定と同時に人事異動も行われ吾等のエキスパートが勇躍現地へ赴任した。10月上旬現地に牛が入る迄に万全の受け入れ準備が行われるわけである。受け入れる地元では希望者が多過ぎて人選に困っている程である。矢は既に放たれたのである。多少の言い分はあっても凡ゆる力を結集して成功させなければならない。

◎一言居士と言う御人は何処にでも居るものであり,それが正論である場合も,邪論であっても,何か一言しなければ気が済まないものらしい。ジャージー種についても一言居士の一言集が出来そうである。為めにする為めの一言だけは何卒御容赦願上候。

◎パラチオン禍が又々問題になって来た。作物を中心にした防除対策は洵に当然であると言えば当然であるが,附近に家畜が居り,小鳥が居り,昆虫が居り飼料作物があり,野草があることは頭にないらしい。家畜が中毒を起し,ツバメが死んで始めて「アアそうであったか」と気がついたのでは後の祭りである。毒薬散布は自然の理に反するものであるならば,それによって起り得る凡ゆる事故を未然に防止するための対策は当然考えられなければならない。家畜に代って一言抗議を申し込んでおく。

◎乳価問題は全国的に大きくなって来た。値上競争をやって集乳をし,その結果は自分で自分の頸を括った結果になり,その皺寄せが又々農民に来てしまった。農民こそいい迷惑である。農民の犠牲が無ければ産業が成り立たない様なことでは酪農は永続しないものである。酪農民も一致団結して組合の組織力を強化して,協同組合の持つ力を示してほしい。そして酪農こそ将来の農村を救う最も進歩した農業経営であることを示してほしい。