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酪振法政令公布

 酪農振興法に伴う集的酪農地域の指定基準等を定める政令は当初7月10日頃公布の予定で,6月末行われた畜産課長会議でも説明されたのだが,その後検討の結果,基本的には変らないが,多少問題点もあったので,更に練り直され,このほど漸く最終案が決定したので8月2日次官会議,3日閣議を経て7日に公布された。この政令は集約酪農地域等についての基本を示すものであるから,以下条文中の主要点を掲載することにする。

酪農振興法施行令

 内閣は,酪農振興法(昭和29年法律第182号)第3条第2項第4項第1号及び第2号,第10条第2項,第11条,第12条第1項,第18条並びに第20条の規定に基づきこの政令を制定する。

酪農振興計画に定める事項

第1条 酪農振興法(以下「法」という。)第3条第2項第4号の政令で定める事項は,下に掲げる事項とする。
 一 乳牛の改良増殖施設及び保健衛生施設の整備に関すること
 二 酪農経営の指導組織の整備に関すること。

集約酪農地域指定の基準

第2条 法第3条第4項第1号の政令で定める基準は,下の通りとする。
 一 下に掲げる数の合計が,別表(岡山県関係のみ登載した。)に掲げる地区の区分(以下「地区区分」という。)に従い同表の農家数の欄に掲げる数(特別区,人口100万人以上の市又は近接する2以上の市で,その人口の合計が100万人以上のものの区域内にある乳業施設に,飲用牛乳用として生乳を供給することができる地域で,政令で定めるものにあっては,その数の4割に相当する数)以上であること。
  イ その区域内において耕作又は養畜の事業を行う者でその耕作の事業に供している農地の面積が,地区区分に従い,別表の農地面積の欄に掲げる面積以上その面積の15割未満であり,且つ,その耕作又は養畜の事業についての家族労働力(その者並びにその者と住居及び生計を一にする親族のうち,常時耕作又は養畜の事業に従事する年令16年以上60年未満の労働力を年令別及び性別の区分に従い下の表により計算したものをいう。以下同じ。)が2.2人以上であるものの数

年 令 労働力
20年以上50年未満
1.0人
0.8人
16年以上20年未満 0.8人
50年以上60年未満 0.6人

  ロ その区域内において耕作又は養畜の事業を行う者でその耕作の事業に供している農地の面積が,地区区分に従い,別表の農地面積の掲げる面積の15割以上であり,且つ,その耕作又は養畜の事業についての家族労働が3.4人以上であるものの数の15割に相当する数。
  ハ その区域内において耕作又は養畜の事業を行う者でその耕作の事業に供している農地の面積が,地区区分に従い,別表の農地面積の欄に掲げる面積の8割以上,10割未満であり,且つその耕作又は養畜の事業についての家族労働力が1.8以上であるものの数の5割に相当する数。

項目 農 家 数 農地面積 農地利用率 畑地利用率 草地換算率 草地面積 裏作面積 飼料供給
可能地率
地区区分
中  国 兵庫県 15,000 0.62町 156/100 198/100 33/100 2,800町 135/100 78/100
鳥取県
島根県
岡山県
広島県
山口県

 二 別表に掲げる地区区分に従いその区域の属する地区についての同表の農地利用率の欄に掲げる率をP,畑地利用率の欄に掲げる率をQ,草地換算率の欄に掲げる率をR,草地面積の欄に掲げる面積をMとし,その区域の農地の面積をA,畑地(桑,茶,果樹その他の樹木を栽培する畑を除く)の面積をB,裏作の可能な水田の面積(その面積がQBにその区域の属する地区についての,別表の裏作面積率の欄に掲げる率を乗じて得た面積をこえる場合には,その乗じて得た面積)をC,草地の面積をDとした場合に,下の様式により計算した数値(北海道地区に属する区域にあっては,Cを零として計算した数値)が,別表の飼料供給可能率の欄に掲げる率以上であること。

  Qb+c+r(d−m)
  ───────────
      Pa

第3条 法第3条第4項第2号の政令で定める基準は,下の通りとする。
 一 その区域が前条第1号の政令で定める地域以外の地域にある場合には,水温が摂氏16度をこえない飲用に適する水を豊富に利用することができ,電力を容易に導入することができる等1日150石以上の生乳を原料として乳製品を製造することができる乳業施設の操業に適する条件を備えた場所がその区域内にあり,且つ,その場所へその区域内にあるすべての耕作又は養畜の事業を行う者の住所から,夏期においておおむね2時間以内で生乳を輸送することができること。
 二 その区域が前条第1号の政令で定める地域にある場合には,水温が摂氏16度をこえない飲用に適する水を豊富に利用することができ,電力を容易に導入することができる集乳施設の操業に適する条件を備えた場所がその区域内にあり,且つ,その場所へその区域内にあるすべての耕作又は養畜の事業を行う者の住所から夏期においておおむね1時間以内で牛乳を輸送することができること。
 三 その区域内で生産される生乳について,農業協同組合又は農業協同組合会が共同して集乳することが確実であること。

使用収益の権利

第4条 法第10条第2項の政令で定める使用収益の権利は,下に掲げる権利とする。
 一 農地法(昭和27年法律第229号)第27条から第30条まで(同法第31条においてこれらの規定を準用する場合を含む。)の規定により設定された同法第26条第1項の利用権
 二 農地法第78条第1項の規定により農林大臣が管理する土地に依る使用収益の権利
 三 国有林野法(昭和26年法律第246号)第2条の国有林野に係る使用収益の権利
 四 入会権

草地の形質変更の行為

第5条 法第11条の政令で定める開こん,造林その他の行為は下に掲げる行為とする。
 一 下に掲げる土地以外の土地について行う開こん(土地改良法(昭和24年法律第195号)により行うものを除く)で面積が1反歩以上にわたるもの
  イ 開こんして農地とする目的で農地法第61条の規定により売り渡した土地(農地法施行法(昭和27年法律第230号)第12条の規定により売り渡したものとみなされた土地を含む)
  ロ 農地法第78条第1項の規定により農林大臣が管理する土地
 二 下に掲げる造林以外の造林面積が1反歩以上にわたるもの
  イ 森林法(昭和26年法律第249号)第8条第4項の森林区実施計画(同法第9条第3項(同法第11条第1項において準用する場合を含む)第10条第4項又は第12条第1項の規定によりその森林区実施計画が変更された場合には,変更後の森林区実施計画)に基き行う造林
  ロ 造林臨時措置法(昭和25年法律第150号)第7条第1項の造林計画(同法第15条第3項の規定によりその造林計画が変更された場合には,変更後の造林計画)に基き行う造林
 三 草地を耕作又は養畜の目的に供するため,当該草地の形質を変更する行為(開こん及び造林を除く)で面積が100坪以上にわたるもの

酪農事業施設

第6条 法第12条第1項の集乳施設で政令で定めるものは,容量500石以上の貯乳槽,冷凍機械濃縮機械又は分離機を有する集乳所とする。
2 法第12条第1項の乳業施設で政令で定めるものは,飲用牛乳用処理施設(生乳の処理能力が1日2石に満たないものを除く)脱脂乳及びクリーム製造施設,バター製造施設,チーズ製造施設,れん乳製造施設又は粉乳製造施設であって,試験研究機関その他農林大臣の指定する者の設置する乳業施設以外のものとする。

不服申立の手続

第7条 法第16条の規定による不服の申立書には,下に掲げる事項を記載し,不服申立がこれに記名捺印しなければならない。
 一 不服申立人の氏名又は名称及び住所
 二 不服の趣旨及び理由

不服申出の審査の手続

第8条 農林大臣は,法第17条第1項の規定による審査に当っては,当該不服申立人及び関係都道府県知事に対して意見を述べ,且つ証拠を提出する機会を与えなければならない。

裁決の手続

第9条 法第17条第1項に規定する裁決は,書面をもってしなければならない。
2 前項の書面には,主文の外その理由を記載しなければならない。あっ旋申請書及び管轄,附則の項は省略する。