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時報

産卵能力集合検定成績

 8月8日は旧暦では既に立秋と言うことになっていますが,前月の7月が例年に見ない程に多雨冷涼であっただけに,当今の暑さは一入身にこたえます。筆仕事をしていると,下顎から胸へ,上脊から腰へと一筋,二筋と汗がにじみ流れ,生れ乍ら余り上等とはいえない頭の働は一層輪をかけ益々鈍化して仕舞います。検定鶏舎の南側運動場はすっかり繁茂したアカシアで,濃影が作られ,西側の窓は越瓜ですっかり覆われ,黄色の花はその緑を一層浮き立たせて一淋の涼趣を画き出しているとは言うものの,検定鶏はこの暑さは,喘ぎ喘ぎながら,ともかくにも健闘しています。
 さて7月の産卵成績を顧みると,7月の涼しさは産卵に対して好き結果となるべきであるが,なにしろ雨が多く,湿度の高いこと等によって前年同月に比して誠に申訳のないことですが産卵率は若干低下しています。月平均25個以上の産卵鶏は49羽で,検定開始羽数200羽に対し25%(前年同月は31%)になっています。本8月は前年に劣らない成績も出す為に,泥鱒を,肝油を,脱脂粉乳をと3−4年前の検定鶏では凡そ夢想だにすることが出来なかったと思われる御馳走づくりに,係員は懸命努力しています。何時も御願いしていますが,苗半作と言うことを御忘れなく,目下御育成中の出品予定後は飽くまで強く逞しく育てて頂くことを特に御願いします。