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巻頭言

新春の御挨拶

惣津律士

 有畜農家の皆さん,明けまして御目出度存じます。
 昨年の夏以来デフレの波がひしひしと農山村にせまって参りまして,畜産物の全面的の値下りを生じ,加うるに台風に依る農作物の不作と政治の貧困とは,苦しい生活を農村に押しつけるような状態となり,皆さんにはいとも糞面白くもない29年であった事と思います。恐らく昭和30年にはこんな事は繰りかえさないだろうし,生活を幾分でも明るくし度いものだと越年にあたって御考えになった事でしょう。私としても何んとかしてこの苦境を乗りこえて,本年を畜産に取ってより良い年に転換し度いものだと念願している事は申上げるまでもありません。
 私は昨春の巻頭言で,畜産物の処理について強力な施策が取られる事が何より必要である事を力説しましたが,如何に食生活の改善とか,農村振興とかがさけばれても,政府に於て畜産物のしっかりした流通対策が講じられなければ,常にしわ寄せが農村にくる事は,昨年の乳価の場合にしみじみと皆さんと共に感じさせられた事でした。そして我国が他国に比べてあまりに政治力が貧弱である事を痛感した次第でした。
 日本は独立国としての名誉にかけて,強力な政治力をバックボーンにしてもつともっとその経済力が培養出来ないものか。
 とも角,私共はこの苦境を逆に活用して,経営の合理化を実施する事が何より必要でありますので,一歩一歩と畜産の健実性に向って献身しなければなりません・
 お互いに健康で,元気で本年も頑張りぬきましょう。皆さんの御多幸を祈ります。