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編集室から

◎先ずもって新年の御慶びを申上げます。昨年は午歳,本年は未年と畜産界にとっては一段と縁がある様であります。今年も何卒よろしく御指導御鞭撻の程をお願い申し上げます。

◎昨年は台風の被害に加え乳価及び卵価の下落を筆頭に各家畜の取引値段は下り坂となり,畜産界に取っては苦しい越年であったことと思います。しかし昭和30年にはこんなことは繰りかえされないことと思います。
 今年は未年に因んでこの秋,めん羊と山羊の第1回全国共進会が開催され,又31年度の中国連合共進会出品家畜の準備年でもありますので畜産界に取っては忙しい年となることでしょう。

◎阿哲郡の千屋種畜場では交通不便な山間の和牛の精液輸送をスピード化するため県下で初の伝書バトによる空輸テストを行っていましたが,まず千屋-刑部家畜保健衛生所間の空輸に成功しましたのでさらに若バト10羽を仕入れ長距離地へのスピード輸送をする計画を立てています。
 千屋-刑部町間はいままで新見市を大回りし自動車輸送で約2時間かかったのを山越えで15分間に短縮しましたが,この成功で目下本郷,新郷両村のほか高梁市宇治家畜保健衛生所などから空輸の申込みがあり,伝書バトの輸送範囲を更にひろげる計画であります。ハトは1キロを45秒から1分間で飛んでいますが人工授精界の将来に期待されています。

◎ニュージーランドへジャージー乳牛購買に出張中の編集人蔵知毅氏も12月15日に帰国され,視察状況も近々紙上をもって発表できることと思いますので,御期待をお願いします。
 編集室も誕生以来6回目の正月を迎え,皆様の御援助により広告欄を飾ることが出来たことを感謝しますと共に今後ともより一層の御援助をお願いします。