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養鶏経営を再検討しよう

 養鶏経営に最も大切なことは経営費の80%を占める飼料問題でありましょう。
 御承知のように飼料価格は大変高くなりその需給も逼迫しております。現在我国に飼育される家畜家禽の頭羽数から言って年間凡そ350万tからの飼料を必要とするのであります。
 ところが国内で生産される飼料は250万t程度で約100万tが不足しています。この不足量を補うため政府は飼料需給安定法に基いて海外より約30万tの飼料を輸入しておりますが依然として70万tの不足は解消できない状況であります。
 飼料の需給状勢はこのような状態ですから家畜のうち濃厚飼料に最も依存しなければならない養鶏については今後その経営内容について相当慎重に飼料を対策検討して見なければなりません。即ち飼料自給度を高めることが何よりも大切であります。
 ところで飼料自給度を高める経営方式といえば,いきおい農村の副業養鶏でありますが従来のような目標のない単なる副業的なものではなく真に農業経営にふさわしい飼育羽数を導入して計画的な飼料設計のもとに経営して行く方式が最も望しいのであります。
 農村で養鶏飼料の自給できるものとしましては先ず裏作における麦類と畑作地帯における甘藷及び雑穀類でありましょう。
 麦類特に小麦は鶏の嗜好に適し,しかも栽培技術如何では相当の収量を得ることができます。
 更に甘藷については少くとも反収500貫は技術的に見て容易なことで,単位面積から得られる養分総量は他の作物より群を抜いた優秀な飼料作物であります。
 他の飼料資源としては籾,粃,そば,馬鈴薯,玉蜀黍等農村には相当の飼料資源が潜在しているのであります。
 これらのものを有効に活用して頂き少くとも,飼料自給率を50%以上に向上して頂き度いものであります。
 更に農村養鶏において忘れてはならないことは鶏糞の利用であります。御承知のように鶏糞は窒素,燐酸,加里を均等に具備し堆厩肥のうち最も肥効価値の高い自給飼料であります。この鶏糞を利用して作物の品質と増収を図ることは勿論,裏作麦をうんと増産して飼料資源を確保することも一策でありましょう。
 このように考えて参りますと今後の農村養鶏においては農業規模や立地条件或いは環境によって多少の相違はありましょうが大凡耕地1反当10羽内外の鳥の飼育が所謂農村養鶏として最もふさわしい規模といえましょう。