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畜産ニュース

乳価維持に二億
農林中金滞貨調整に融資

 昨年の秋以来,滞貨大缶れん乳を学校給食用に振り向けようとする問題を検討していた農林省では2月24日,@10万缶を全酪連に買取らせ,これを3月1日から6月末までの4ヵ月間凍結させる,Aこの買取りは1缶2,800円とし,必要資金計2億8,000万円は農林中金から融資する,B政府はこの凍結期間内に上数量を学校給食向けに販売できるよう必要措置をとることに責任をもつ,とする方針で実施することに決め,ただちに乳製品協会および全酪連に通知する一方,乳業界に対しこの措置に応じて乳価の引下げは止めてほしい旨申入れた。このため乳業会社側は“当分の間”乳価引下げを延期する旨回答した。
 これにしたがって全酪連では,同連合会が行うことになった委託販売要領を決め,希望数量もとりまとめる手はずを整えている。
 一応この方法に応ずるのは中小メーカーおよび全酪全販などの農協系統で,大メーカーは価格の点から応じないものとみられている。全酪連が行う委託販売の大要は次のとおりである。
 一.買取りは現市場価格とにらみ合せ1缶(55ポンド)A級品2,800円,B級品2,750円,C級品2,700円とし,その数量は10万缶,総額2億8,000万円とする。
 二.代金支払いは製品買上げ時にその7割を支払い,残る3割は4ヵ月間の凍結を経て販売された際,その販売超過額および利子,諸経費を精算して支払う。(販売価格は3,000−3,500円を見込んでいる。)
 三.利子(中金融資金)は日歩2銭5厘でこのほか倉庫料,運賃検査料など諸経費は委託者側の負担とする。
 四.凍結期間中は政府の特別の指示がない限り販売しない。