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編集室より

◎5月24日倉敷から登庁の松尾技師が課に入って第一声が「昨日の雹は大変なものであり被害は今迄みたこともない程ひどいものである。参考のために是非見て置け」とのことであった。3-4日経ってから被害地を通過したが,その被害は全く予想外であって,局地的に起る天災の恐ろしさに驚いた次第である。家畜は歩いて逃げるから被害は無かったが教えられることの多かった天災である。

◎北部酪農の問題が相当大きく取り上げられている。酪農奨励をやっている最中のことで実に痛いことであるが,美作地区の産業発展のためにも是非早急に再建をやらなければならない。それにしても組合員が自分達の組合であると言う気持のうすいのには驚く。乳代の支払いが遅れてくればすぐ市乳をやると言い出す。市乳をやるにはいくら設備費が掛り,いくら消費が伸びる等の計画もしないで目先のことばかりである。それも良いかも知れないが,それよりか自分達の組合の再建にもっと力を入れてほしいものである。
 経済価値の高いもの程デフレ下では早く風当りが強く来るわけである。それだけに経済的経営を行えば再建も早いわけである。経済的に眼先きのきく人々が多いのであるから,ガッチリと手を組んで再建をやってほしいものである。

◎和牛は49頭沖縄に出て行った。販路拡張をやっている時であり洵にうれしいニュースである。東京駐在も本格的に話が進められている。世は宣伝時代である。貧弱な岡山競馬でさえ宣伝で一応黒字を挙げているのである。和牛界も県が1本になって大いに宣伝すべきであると思う。

◎知事の構想による県勢振興計画が進められている。畜産課の計画も出来上った。今後の畜産振興に大いに役立つものと思う。計画のみに終らないで着実に実行にうつして行きたいものである。