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草の旬間 9月5日−14日

 毎年春秋2回,全国的に草の週間が設けられますが,岡山県では来る9月5日から14日までの10日間を秋の「草の旬間」として設け,一般に草の重要性を再認識して頂くと共に家畜に一番必要な草を少しでも多く改良増産して頂きたいと思います。
 路傍や山野に生えている自然の草は家畜にとって貴重な飼料ですが,従来から生えている草の中には,毒草や栄養価値の低い草が多く、草刈をしても相当な労力を必要とする反面収量が少く,自然仕事は過重となり,又折角刈って与えても家畜の利用部分は少く,これがため高い濃厚飼料を買っておぎなわなければなりません。このため農家の負担は大きく,農業経営は不安定となります。
 ところがこのように悪い草地も改良することにより,収量が2倍から3倍になり,栄養価値の点からみても8倍にも増加するものもありますから購入飼料は節約でき,利潤は増し,反面牛乳や肉など畜産食品の消費者値段が安くなり,国民生活に結びついた畜産となり,国民全体が健康でしかも笑顔をもって楽しい生活を毎日送ることができます。

昭和30年度草地改良指導地

 県では昭和22年度から毎年各郡市に数ヵ所,総面積約100余町歩の草地改良指導地を設けて,県の指定する優良牧草種子(マメ科及び禾本科)を購入,無償で配布し,付近のモデルケースとしております。昨年度は103ヵ所、150余町歩を指定して,レッドクローバー110升,ラジノクローバー150升,アルサイククローバー20升,オーチャードグラス151升,イタリアンライグラス10升,レッドトップ22升を40万5,000円で購入配布しました。
 昭和30年度には163ヵ所、150余町歩を去る7月下旬指定しました。本年度は予算減により,牧草種子を3品種に限定,レッドクローバー165升,ラジノクローバー165升,オーチャードグラス299升を購入,8月29日に指定地代表者に対して種子を配分する予定です。そしてこれらの種子にでき得れば地元で自己負担買入の種子をあわせて,草の旬間(9月5日−14日)を中心に部落共同で播種して頂きたいと思います。
 本年度もジャージー導入地区を最優先とし,その他の地区についても,申請全地区を対象とし,1地区にレッドクローバー1升,ラジノクローバー1升,オーチャードグラス2升を平均基準として割当しました。(牧野改良事業は省略)

草地改良の時期と牧草三種

 悪い草地を改良するには,現在生えている優良野草はそのまま残し,悪い草,毒草を取り除いて,優良牧草を県の北部では8月下旬から9月上旬,南部ではそれより少しおくれた9月の彼岸前後に播種するとよろしい。この場合その土地の土性を調査し,その土地に適した牧草を播種することが大切です。草地を播種する場合,一般に多年性の牧草を利用する方が有利ですが,県内で主に用いられている牧草三種について簡単に説明します。

1.レッドクローバー

 クローバー類の中で古くから利用されているが,経済的な利用年限は2,3年で,酸性強い土地及び痩地にはよくない。反当播種量は6合−1升(2−3ポンド),収量は生草で800貫−1,300貫多いもので2,000貫とれる。

2.ラジノクローバー

 このクローバーは在来の白クローバーを大型にしたようなもので,数年前から草地改良に広く利用され,その成果は大きい。気候,土性を選ばず,多年利用できるが,反当3合−6合(1−2ポンド)播種,収量は生草で1−2,000貫である。

3.オーチャードグラス

 禾本科牧草のうちでよく用いられる多年生の牧草である。気候、土性を選ばず乾草としてもよく,反当8升位(4−5ポンド)播種、収量は生草で1−1,500貫である。
 以上の播種量は理想であって,これ以下でも移植等の手段により効果をあげるのに充分であります。