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中四国草地研修会 蒜山で開催さる

 農林省農業改良局及び岡山県(農業改良課,畜産課)共催で去る8月16日から19日までの4日間,真庭郡川上村川上中学校において,中国四国畜産及び飼料作物専門技術員研修会並びに中国四国草地研修会が盛大に開催された。参集者は兵庫,中国5県,四国4県の農業改良課,畜産課,種畜場,農業試験場,その他の畜産専門技術員及び技術者60余名で,期間中熱心に受講した。

研修項目はおよそ次のとおり。

〔8月16日〕

開会

 農林省農業改良局高橋技官挨拶

 曾我農地経済部長挨拶

 地元川上村長挨拶

本邦牧野の牧養型について

牧野の植生調査について(含実地指導)
    農林省林業試験場 井上技官

岡山県高冷地試験地,ジャージー飼育農家(川上村)視察,ブルドーザー実演見学

〔8月17日〕

中国草地の諸問題について
    農林省四国農業試験場 林 技官

西南暖地の飼料作物の諸問題
    農林省四国農業試験場 西村技官

傾斜地の土壌保全と牧草
    農林省四国農業試験場 伊藤技官

牧野指導は如何にすべきか(ワークショップ)行政研究普及

懇親会及び大宮おどり
 三木県知事挨拶

〔8月18日〕公開

草の栄養価について
    名古屋大学農学部 斉藤教授

挨拶 三木県知事

牧野土壌の特徴について
    鳥取大学農学部 細田教授

ジャージーの特長について
    岡山大学農学部 小松教授

岡山県ジャージーの導入について
    岡山県畜産課 蔵知技師

蒜山の草地農業の将来について
    講師及び農民の声

ニュージランドの農業事情及びスライド(夜)
    岡山県畜産課 蔵知技師

〔8月19日〕

ジャージーについて体験発表
    ジャージー農家

畜産特技の進め方(専攻の時間)
    農林省教育課 高橋技官

閉会


大宮おどり“てんこ”

蒜山に三木ガ原

 研修会第2日目の8月17日夕方,三木県知事が岡山から自動車で蒜山に到着,夜の懇親会席上で挨拶,閉会後地元から研修会へのサービスとして大宮おどりの御披露があった。その夜三木知事はジャージー乳牛ゆかりの蒜山原にキャンプした。この蒜山原は元陸軍の演習地であった関係で,軍にちなんだ地名が残っている。真庭郡八束村下福田地内,福田校北方の高原が“建川台”=演習地開設当時の姫路師団長建川中将の命名=同村下長田,鳥取県境の一高地が“森田山”=その後の同師団長森田中将の命名=などが代表的だが,戦争の思い出になるのはイヤだから,平和的な新名称を土地の人たちが望んでいたが,この夜三木知事がはじめて蒜山入りをし,しかも一夜を草枕で明かした原野=上福田小原北方=を“三木が原”と呼ぶことにしてはとの話が起り,ジャージー牛導入のゆかりもあり,多くの賛成があって新地名が生れたという。

 なお同夜行われた“大宮踊”を蒜山観光協会のシナリオからかりると次のとおり。

“大宮踊”のあらまし

大宮踊は岡山県北,鳥取県境,中国山脈中の高原,蒜山(ひるぜん)地方の盆踊りで,旧盆一週間毎晩八束,川上両村内各所で踊られるが,中でも1517両夜,八束村福田神社(大宮)の踊りが一番盛大なのでこの名がある。

 起原,由来など判らないが,遠く神代の昔から伝えられたともいわれ,踊り方もゆったりして優しく,むしろ舞に近く,音頭の歌詞にも意味の判らない古いことばが混っている。

 踊には“あおい”“しつし”“てんこ”(“まねき”ともいう)の三種があり“あおい”の音頭には“ウワハンヨー”というはやしがついている。“ウワハンヨー”とは古代語で“万歳”に相当するものだといった学者もある。

 踊場には土地の青年達の手になる,紙の切抜細工を付けて飾った横長いアンドンのような灯籠が提げられ,その下を円形に囲んで,老若男女,踊の輪に入り,また離れるなど,気ままに躍り抜くのである。伴奏もただ桐胴の締太鼓一種で,ワラをよって作ったバチをもって,単調にたたくのみである。

“てんこ”は変装おどりで編笠を烏帽子様に被ぶり,ドテラを着て,手ギネを振るもの,股引姿に着ござを背負い,念仏鐘をたたくもの,キウリの半折を左右の手に持っておどるもの,ビクを腰に,ザルを振って,ドジョウすくいのさまをするもの,男装はスリコ木,女装はスリ鉢をもっておどけた身振りをするものなど出るが,これは,その日のおどりの最後を飾るものである。

つぎに音頭の2,3を紹介する。

“あおい”

・なつかしやウワハン大宮さまのウワハンヨー杉がみえますほのぼのと

・どみの堂ではウワハンてんこのこがおどるウワハンヨーおごはおらぬか出てしめせ

・せれせれウワハンかんがらふいてせれウワハンヨーおくをせらねばこができぬ

・おいとしやウワハン孫六さまはウワハンヨー霧にまよやる芽部野で

・どろどろウワハン鳴神さまウワハンヨーここは桑原野に落ちやれ

・子供らちやウワハン長三郎と寝るウワハンヨー長三見もせにゃあいもせず

・しのぶにはウワハンどてらののこがよかろうウワハンヨー菊の下葉で夜を明かす

“しつし”

・しつしやれこらさ今始まればおばば出て見やれ孫つれて」孫つれておばば出て見やれ孫つれて

・お月さまのようなまんまるまるい丸い心の妻ほしや」妻ほしや丸い心の妻ほしや

・ちょいと手を出しゃしんわりたわむこれが今年の若竹か」若竹かこれが今年の若竹か

・締めて鳴るのは皷に太鼓なんぼ締めてもわしゃ鳴らぬ」わしゃ鳴らぬなんぼ締めてもわしゃ鳴らぬ

・声はすれども姿は見えぬさまは茅野のきりぎりす」きりぎりすさまは茅野のきりぎりす

・お前100までわしゃ99までともに白髪のはえるまで」はえるまでともに白髪のはえるまで

        岡山県真庭郡八束村川上村  蒜山観光協会