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編集室から

◎切角軌道に乗りかけた酪農界に又しても粉乳事件の発生で,業界はてんやわんやである。国産品に対する信用は全く地に落ちたと言ってもよい位である。責任問題を云々してみても出来てしまった後では弁解の余地は無い,早く良心的な製品を出して国産粉乳の信用を快復してほしいものである。

 粉乳問題は更に練乳に迄影響して来そうだ。森永は粉乳の代りに当分製菓用の大●を造るそうである。そうなると中小メーカーの製品に大きく響くし,又場合によっては原料乳価格にも皺寄せが来るかも知れない。上げたり下げたり,全く女心と秋の空の様なものである。如何に底の浅い日本の産業であるとは言え,農民こそいい迷惑である。もっと全国的に需給調整をやってほしいものである。

◎天高肥馬の候と相成候処貴家益々………と久しぶりに忘れかけた候文を手にした。読んでいる内になかなか捨て難い味のあることを見出して,時にはこれもいいなあと思ったことである。全く今年は豊作で農村もホットしているし,久しぶりに青空を眺めて秋の稔りを感謝したい様な気持になることが出来る様である。秋と共に共進会シーズンに入った。何処も同じ様に昔の姿そのままの共進会を続けている。共進会は家畜のお祭りであってみればもう少し家畜に重点を置いたものであっても良さそうである。共進会の経費の半分以上が食糧費であったり,施設の費用であったりしたんでは何か割り切れないものが残るのである。共進会ももうそろそろ新らしい形のものになっても良さそうである。経費を出来るだけ少くして,皆んなの楽しめる共進会であってほしい。

◎今秋も草の旬間を行った。今年も牧草の種子を無償配布したが,全県的な運動に発展するにはなかなかの様である。然し昭和22年より配付して来た赤クローバーは此の頃になってやっと眼につくようになって来た。全県下にクローバーが行き渡るのは何時の事か知らないが,一歩一歩と縁の下の力持ちをやって行きたい。