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岡山県獣医畜産学会 研究発表特集

(9)モルモットより分離の溶連菌

岡山県衛生研究所 吉岡達治 岡 好万 中田三郎 北村直次

 動物試験の正確が叫ばれ特にそれ等動物の細菌汚染が実験に大きな支障を来す事は周知の事実であるが  Streptococcus  に関しては最近特にその研究と報告がなされいる。吾々はこの単発にして胎盤感染による仔えの伝達そして緩慢な症状を呈すモルモットより粘液変性の菌を分離した。そしてこの菌は粘稠度高く形態的に  Viridaustype  様で諸性状は  pyogenes  である,特に動物接種ではマウス,兎に強毒力を有すもモルモットには少く共症状的には大量接種で変化なく,病理学的には顎凹淋巴腺のみ著明に腫大チーズ様変化を認めその他の臓器では肝,脾,子宮に若干の炎性変化を認めるのみであった。