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畜産ニュース

牛の流感近県に発生警戒を要す

 今年8月下旬以降,富山県,石川県に初発した牛の流行性感冒は,9月に入ってからも依然続発し,9月20日現在において両県を通じその発生頭数は354頭を数え,病性も遂次悪性化の傾向にあるが,さらに長崎県対馬においても,この病気の発生をみており,又隣県の広島県からの電報によれば,広島県賀茂郡下に9月26日現在,牛の流感様疾患が発生し,累計54頭となっていると通報があった。

 今後の流行期をひかえて,なお予断を許さない事情にあると認められるので,全国的に厳重な 警戒が必要となったが,岡山県では9月30日,県下26ヵ所の家畜保健衛生所長,地方事務所長等に防疫上万全を期すよう通知した。

 牛がこの病気にかかると体温の上昇(40−42度)と2−3日の高熱稽留,体温上昇に伴う緒症状つまり食欲減退又は廃絶,反芻の停止,脈膊及び皮温の不整等が現れる。又呼吸は促迫症状を示し,関節の腫脹,疼痛,流涙,眼やに,眼瞼,結膜の浮腫及び口内炎の症状等様子のおかしい牛を見出した場合は,すみやかに最寄家畜保健所か地方事務所へ届出て処置をあおがれたい。