既刊の紹介岡山県畜産史

第2編 各論

第1章 酪農の発展

第2節 酪農奨励事業

3.躍進期を迎えた最近の酪農振興対策

 昭和27年(1952)には有畜農家創設要綱,酪農振興計画が相次いで定められ,乳牛の導入をはじめ豚,緬羊,山羊などの中家畜および鶏の飼養が奨励された。その結果,本県の畜産は急速な進展をみせた。
 殊に酪農は,昭和30年(1955)に美作,同32年(1957)に備中,同34年(1959)に旭東の3集約酪農地域指定をうけ,その後酪農経営改善計画,酪農近代化計画が集約酪農地域を中心に画策され,重点的な助成の下に酪農振興が図られた。その結果,昭和30年(1955)の飼養農家は4,380戸,飼養頭数は,6,840頭であったものが,昭和46年(1971)には,5,480戸,4万5,400頭と6倍になり,西日本有数の酪農県となった。おもな酪農振興計画は次のとおりであった。

(1)岡山県酪農振興計画の策定

 昭和26年(1951)4月,第2代目の公選知事三木行治が当選した。三木知事は県政推進の基礎を,常に「合理的なものの考え方」と「進歩的な態度」のうえに置き,「行政の科学化」のために衆知を集め,次元の高い広い視野にたった判断を期待した。本県の伝統的な農業に対しては,「科学する農業」,「考える農業」を推進した。その一環として県北に酪農を導入することを企図した。昭和27年(1952)12月30日,大晦日を前に急に各部長を知事公舎に集め,酪農振興計画を検討してその骨子を練った。

   岡山県酪農振興計画抜粋(昭和27年12月30日樹立)

 基本方針 酪農によって名実共に明るい農村を現出するために,地帯を選び酪農振興のため必要な施策を重点的に施行する。@乳牛を1万頭に増し,生乳を年間14万7,500石生産する。A酪農による農業振興が期待される地帯を選び,乳牛の密度を高める。B資質の改良,C酪農技術の向上,D牛乳及び生産物の利用増進,E酪農経営の合理化,F乳牛の保健衛生の向上,G乳牛の導入,施設の設置に対する融資等。
 酪農振興地帯の設定 地帯を旭東,岡山,児島,浅口,作州,蒜山および育成地帯(吉備,御津,久米,赤磐,和気,邑久の諸郡の一部)に分けた。
 増殖目標 別表のとおり昭和32年(1957)に8,085頭となり,蒜山地区の2,000頭を加えると約10,000頭となる。
 この外,経営の合理化対策,牛乳及生産物の利用増進対策,策,乳牛の保健衛生対策,飼料対策,自給飼料の増産対策等が定められた。