既刊の紹介岡山県畜産史

第2編 各論

第1章 酪農の発展

第3節 酪農経営の推移

1.酪農の由来

 酪農の由来について,宮脇冨著『酪農概論』によると,「乳牛を飼養し,牛乳の処理をなし,乳製品を造ることを漢字で現さなければならないとするならば,酪農というよりも,乳農と言うべきではなかろうか。現在でも乳業という言葉は用いられている。もし,乳の字を用いるのに難点があったとすれば,酥農でも醍醐農でもよかったのではないか。
 酪農,乳農,酥農,醍醐農のいずれにしても,その文字のみでは本体を現すに充分でない。いずれを用いてもよいのである。酪農の文字は,すでに長年月にわたって用いられ,今日では一般に用いられているので,今さら改める必要はないと思う。
 英語のDairy Farningと言うのは,乳牛を飼養しつつ農業を行うことである。Dairyingというのは,狭義には,牛乳を処理するということを意味し, 広義には,乳牛を飼養することを含んでいる。従ってDairyingは酪農というよりも,酪業か乳業というべきである。わが国に専門酪農,酪農専業家,牛乳搾取処理販売業者(牛乳屋)などの農家がある。これは酪農というよりむしろ酪業,乳業に入れるべきものである。」としている。