既刊の紹介岡山県畜産史

第2編 各論

第2章 和牛(肉用牛)の変遷

第3節 和牛の能力利用

5 内蔵,牛皮等の利用

(2) 牛皮

 屠畜場では生牛皮は時価で取引きされている。昭和53年(1978)末における岡山県営屠畜場の場合は,1枚6,000円(枝肉重量250キログラム以上のものについて)となっている。
 明治20年(1887)における牛革の生産について,(『牧畜雑誌(第16号)』(明治22年9月)に示されたものを見れば,全国で97,000枚,226,000円(1枚2円33銭)であって,岡山県は212枚で全国で28位の生産量であり,1枚の価格は2円42銭であった。ちなみに,同年の米価は石当たり4円04銭であったのに比べれば,米約6斗(1俵半)に相当し驚くほどの高値であった。なお,同年の皮革(他の家畜分を含む)の国内自給率は,僅か11%に過ぎなかった。
 終戦直後の混乱期に,牛肉にはまだ統制価格が適用されていたとき,岡山市において,牛生皮1枚の価格が10,000円を超え,牛脂や豚脂も18リットル缶1ぱいが1万円をこえた一時期があった。牛肉ではもうからなくとも,牛皮など副産物で十分カバーできたということで,当時の物資の乏しさと,物価の異常さを端的に物語っている。ちなみに,昭和20年(1945)における統制米価は,石当たり30円(国の買入れ価格)であった。