既刊の紹介岡山県畜産史

第2編 各論

第3章 養豚の進展

第2節 養豚指導奨励事業

2.昭和年代の指導奨励事業

(3)養豚指導奨励施設の設置

  1 岡山県酪農試験場養豚部

 昭和36年(1961)11月T日,岡山県酪農試験場に養豚部を設け,ランドレース種を中心に繁殖を図るとともに,養豚に関する試験研究を開始した。

  2 岡山県営食肉市場

 昭和37年(1962)4月1日,岡山市網浜(現桜橋)に岡山県営食肉市場を岡山県営屠畜場と併設した。屠畜場は4月から開設され,食肉市場は8月からセリ売りが始められた。総工費1億2,000万円で,屠畜場は鉄筋2階建で,屠殺能力は1日当たり大家畜100頭,豚などの中家畜100頭で,年間それぞれ3万頭が処置できる最新式の設備を持つものである。食肉市場を運営するために岡山市屠畜協会,岡山県総合畜産農業協同組合連合会(県総合畜連),岡山県家畜商業協同組合,岡山県経済農業協同組合連合会(県経済連)の4者が出資した県食肉荷受株式会社を設立した。昭和41年(1966)4月1日から畜産物の価格安定等に関する法律(畜産法,法律183号)に基づく指定市場となり豚肉等の買入れを開始した。

  3 岡山県立農業大学校の分校を設立

 昭和43年(1968)4月1日,岡山県立農業大学校の養豚専攻学生のため,酪農試験場に津山分校を併設した。昭和43年(1968)11月12日,開講式を県立農業大学校で挙行した。

  4 種豚増殖センターの設立

 昭和47年(1972)県経済連は,高梁市松山楢井大東平に種豚増殖センターを設置し,基礎豚雌60頭,雄5頭を繋養し,純粋種豚の増殖,組合検定による優秀種豚の作出,繁殖肥育一貫経営の技術体系の確立,養豚経営に関する問題点の解明等の業務を実施している。用地は10ヘクタールで,建物・構造物は,管理舎・分娩豚舎・種雄豚舎・育成豚舎・隔離豚舎・飼料庫・糞尿処理場・給水槽・運動場等である。生産した子豚及び育成豚は系統農協に配布している。

  5 養豚研修会の開催

 昭和46年(1971)2月19日,岡山県農業協同組合中央会,県経済連,日本種豚登録協会岡山県支部の共催で,「SPF豚の現状と今後の方向」(農林省家畜衛生試験場技官 柏崎守講師),「豚のふん尿処理について」(東京農業大学教授 石丸圀雄講師)の講演会が開催された。