既刊の紹介岡山県畜産史

第2編 各論

第4章 養鶏の発達

第3節 鶏の改良

2.民間における種鶏改良

(2)委託種鶏場の設置

 昭和10年代になって,県内の鶏飼養羽数は増加し,県種畜場の施設だけでは,これに対応する鶏の改良増殖も困難になってきた。そこで昭和14年度から委託種鶏場を設置することになり,県内の種鶏家の中から適当な者を選定し,県委託種鶏場に指定した。委託種鶏場に対しては,種雛の購入費,トラップネストおよび種雄鶏共同育成場に対し奨励金を交付して,種卵の生産配布と,種雄鶏の育成配布を実施した。岡山県委託種鶏場要項によると,委託種鶏場で飼養する原種鶏は,岡山種畜場または農林省種鶏場から払下げを受けた種鶏,もしくはその系統とする(ただし,知事においてとくに優良と認めた種鶏についてはこの限りではない。)また,同要項の第6条には,受託者の順守事項として次のことが掲げられていた。@トラップネストを設置して産卵調査をすること。A種雄鶏育成のため必要な設備をすること。B原種鶏の生産した種卵は,別に定める価格をもって,知事の指定した者に配布または供給すること。C種鶏台帳および産卵調査簿を備え記帳すること。D毎年1月1日から6月30日までと,7月1日から12月31日までの2回,その間の事業報告書を当該期間経過後20日以内に知事に提出すること,などを規程していた。
 一方,このような県の鶏の改良増殖事業に呼応して,岡山県養鶏組合連合会も共同孵化事業を実施し,優良初生雛の配布を行なった。この種卵を供給するため,同連合会独自で,委託種鶏場を設置し,農林省播磨種鶏場および岡山県種畜場から,とくに種雛,種卵の払下げを受け,種鶏の改良繁殖を行なった。同連合会が昭和15年度に指定した種鶏場は,都窪郡吉備町桐野勝次郎ほか3名で,白色レグホン雄40羽,雌569羽の種鶏から生産した種卵が,共同孵化によって県内に配布された。なお,この委託種鶏場は,翌16年度には『数カ所増設し前述の県の委託種鶏場分と合わせて,種鶏3,000羽とし,種卵15万個を生産し,養鶏連合会の施設で孵化し,初生雛の供給を一層潤沢にるす計画』であった。しかし,その実績については不詳である。