>既刊の紹介>岡山県畜産史 |
久米郡久米町の神田脩は,昭和24年(1949)9月から,神田式孵卵器を製造して販売を始めた。この孵卵器は卵を入れておく卵座と,雛の発生前に卵を移しておく発生座が,1つの孵卵器にセットされた方式で,温源は電気で,停電時には灯油ランプが点火できるようになっていった。その後,種々改良が加えられたが,昭和34年(1955)には転卵を自動化して,孵卵の作業労働の軽減と孵化率の向上とに貢献した。孵卵器の大きさは,学校の実験に使われる小型のものから,1万卵を入卵できる専業用のものまであり,現在でも全国各地へ販売されている。