既刊の紹介岡山県畜産史

第2編 各論

第5章 その他の家畜家禽

第2節 緬羊

2 岡山県における緬羊飼養

(6) 緬羊共進会

  第1回全日本緬羊山羊共進会は日本緬羊協会,日本緬羊登録協会および全国段階の山羊関係団体との共催により,農林省の後援で昭和30年(1955)10月6日から5日間,東京上野不忍池畔で開催された。本県からは緬羊の部で児島郡東児町(現玉野市)杉野勝二,笠岡市東大戸原田八夫および邑久郡牛窓町菱田伊智雄所有の3頭が出品された。
 中国連合畜産共進会において緬羊が出品家畜とされたのは,昭和25年(1950)10月,鳥取県倉吉町(現倉吉市)における第15回から昭和36年(1961)10月神戸市における第18回までであって,本県からは毎回種緬羊1〜3頭程度が出品されていたことは,第1編総論第3章第3節に述べたとおりである。等級については残念ながら,1等賞入賞はなかった。
 岡山県畜産共進会においては緬羊が出品せられたのは,昭和24年(1949)5月,岡山市で開催された第4回から33年(1958)9月久世町で開催された第14回までの間において,前後7回であった。この間が,本県で緬羊飼養の最も盛んな時代であったのである。
 なお,県下で唯一の緬羊専門農協である邑久緬羊農業協同組合では,昭和30年(1955)4月,第1回羊毛共進会を開催し,翌年第2回を開催している。羊毛共進会は,この組合のみで行なわれたものであって,この地域が県内における緬羊の先進地であったことを示すものである。第2回における出品羊毛の成績は表5−2−8のとおりであった。