既刊の紹介岡山県畜産史

第2編 各論

第5章 その他の家畜家禽

第3節 山羊

2 岡山県における山羊飼養

(4) 山羊の改良と登録

 昭和27年(1952)には,県下の山羊飼養頭数の40%強を占める美作地区において,山羊の優良な血統を保存し,改良をはかるため,美作山羊登録協会が誕生した。この協会は,同年4月1日から事務所を津山市にある岡山県津山畜産農場内に置き,会員は原則として美作1市5郡に在住する山羊飼育者ならびにこの会の趣旨に賛同する者をもって組織した。初代会長には,久米郡打穴村(現中央町)小島尚直が推された。この協会は本登録と予備登録の2種の登録を行なうため,補助登録,基礎登記および産子登記を行なっていたが,昭和28年(1953)7月1日,日本山羊登録協会岡山支部(会長惣津律士)が県畜産課内に設置せられ,県下一円に登録が実施せられることになったため,発展的に解消した。
 登録頭数は,昭和28年(1953)から31年(1956)度末までの間に,本登録40頭および予備登録431頭であって,1万頭以上の飼養頭数からみれば決して多いとは言えなかった。なお,これ以下の登録段階の登録登記の実績は記録に明らかでない。

     岡山県山羊改良目標

   @ 体積の豊かなものであること。(飼養管理の方法が拙劣であること。優秀な系統が少ないこと,発育の悪い当歳山羊に種付をするため準備の発育をしないことなどが現状の問題点)
     成牝山羊の発育目標  体高2尺3寸以上(70糎以上),体長2尺4寸以上(73糎以上),胸囲約2尺6寸以上(約80糎以上)
     当歳種付は体重10貫以上(37.5瓩以上)
   A 後躯のよいものであること。(乳器のよいもの,とくに乳房の附着のよいもの,尻の傾斜の少ないもの,尻幅のある,尻長の長いもの)
   B 質のよいものであること。(皮膚にゆとりがあり,柔軟で色の濁っていない(注 皮膚に有色々素のないこと)もの,毛は粗毛,長毛でないもの,骨は細すぎず,骨じまりのよいもの)
   C 泌乳期の長いものであること。(年間乳量の多いもので最高泌乳量が高くても,泌乳期の短かいものはよくない)
   D 産乳目標,泌乳期250日以上,年産乳量1石5斗(280キログラム)以上。

    注 ザーネン種の泌乳能力は,泌乳期間270−350日,総乳量500−1,000キログラムが普通という。(畜産大事典編集委員会(昭和39年)の『畜産大事典』による。)