既刊の紹介岡山県畜産史

第2編 各論

第5章 その他の家畜家禽

第5節 あひる

 古くは,家畜家禽と呼ぶとき,家禽の中には「鶩」が含まれていたけれども,自給経済の中でひっそり生存していたというのが,養鶩の姿のようである。事実,養鶩に関する資料は皆無と言ってよく,僅かに岡山県統計年報に,明治38年(1905)から見られる程度である。そして,最近になっては,農林省家畜生産課の資料があるので,これらにより,養鶩の推移と,各年代における地域的な飼養状況を表によって示すことにより,その歴史をたどるよすがとする。
 いわゆる合鴨は,肉用のペキンダックの肉味をよくする目的で,本種の雌に野鴨の雄を交雑した一代雑種をいうもので,大阪府を初めとして,近畿地方から北陸地方に飼われているが,全国的に普及してはいない。岡山県養鶏試験場においては,ここ数年来これを飼育し,年間100羽程度の種鶩と1,000羽以上の合鴨を払い下げている。地方においては,むしろ愛がん用として飼われている現状である。