既刊の紹介岡山県畜産史

第2編 各論

第6章 牧野,飼料作物ならびに流通飼料

第2節 流通飼料

2.飼料事情の推移

(4)戦後の窮乏時代(昭和20年代)

 終戦直後の食糧難は,戦時中よりも一層深刻さを加える中で,家畜の飼料を確保することは実に容易なことではなかった。
 しかし,一方では駐留軍用特需等を含め乳肉卵等畜産物の需要は次第に増加し,昭和24年(1949)には家畜・家きんの飼養羽数は戦前水準に回復した。飼料原料はまだ乏しかったので,飼料工場では一時ドングリ等の木の実,大根やいもの茎葉,その他山野草等を乾燥粉末にしたものをふすま,米ぬか等と混合して「新興飼料」などの名称で販売した。
 昭和22年(1947)12月,「飼料配給公団法」が公布され,翌23年(1948)「飼料配給公団」が設立されたが,このころは食糧事情も漸く好転の方向にむかい,またふすま・大豆粕等の輸入飼料もふえて,飼料の配給量も次第に増加し,昭和25年(1950)3月には飼料の配給統制は撤廃され,「飼料配給公団」も廃止され,昭和13年(1938)から12年間続けられた飼料の配給統制は終りをつげた。しかし,飼料の買付けを民間輸入だけにゆだねておいては,需給の不安定や価格変動などが憂慮されるので,政府は自ら輸入飼料の一部を買い入れ,保管,売渡しを行なって,飼料の需給ならびに価格の安定を図ることとして,昭和27年(1952)「飼料需給安定法」(法律第356号)を制定し,翌年3月から施行した。この法律の対象になるものは,大麦・小麦・ふすま,とうもろこしの他,こうりゃん,大豆および大豆油かす,脱脂粉乳,魚粉等であった。これらの飼料の買入れ,保管,売渡し等については,農林大臣が飼料需給安定審議会(昭和41年畜産振興審議会に統合)に諮問して,毎年の飼料需給計画を樹立することになっている。
 また,戦後次第に食糧事情もよくなり,畜産業が復興し始めると,飼料の需給量が急速に増大し,不良品も出回るようになったため,飼料の品質を保全し,公正な取引きを行なうため,昭和28年(1953)4月「飼料の品質改善に関する法律」(法律第35号)が制定,公布され,翌29年(1954)から施行されることになった。
 この法律の施行に伴って飼料製造業者は,飼料に関する試験研究施設や陣営の整備拡充を図り,関係肥飼料検査所,都道府県畜産課等の指導を受けて,一層近代的かつ,科学的な飼料の生産に努め,大いにその実をあげるようになった。