既刊の紹介岡山県畜産史

発刊のことば

岡山県畜産会会長 花尾省治

 本県の畜産は,その生産額613億円に達し,農業総生産額の約3分の1を占め,今では農業を支える主要産業となりました。
 このような発展をとげたことは,慶雲の昔から先人の血の滲むような努力による家畜の改良繁殖と畜産振興のたまものにほかならないのであります。しかし残念ながら畜産全般について発達の足どりを記述したものは皆無に近く,僅かに大正時代から昭和初期に岡山県内務部が発刊した「岡山県畜産要覧」により,岡山県の畜産の一片をうかがい知るのみであります。
 昭和戦後本県畜産発展の礎を築かれた惣津律士氏が県畜産会会長に就任せられて,岡山県畜産史の出版を発意企画され,当時同会事務職長として在職しておられた蔵知毅氏が担当し,資料をしゅう集して種々準備を進めておられましたが,不幸にして両氏とも病魔にたおれられて一時中断の状況でありました。
 そこで有志とはかりこの事業を継承実現するため昭和52年末県をはじめ畜産関係23団体をもちまして岡山県畜産史編纂委員会を結成し,畜産関係者の総力をあげての協力執筆により鋭意この準備を進めて参りました茲にようやく刊行の運びとなりました。
 この種の書籍としては本書が初めてのもので,今後岡山の畜産を語る上に大きなよりどころとなるものと思われます。本書が本県畜産の発展に貢献された多くの先人の徳をしのぶとともに,今後の発展躍進に備えるための貴重な資料となることを希望いたします。なお,本史は2カ年の短期間に編纂したものでありますので,将来追補完成を期さなければならないと存じております。
 本史刊行に当たり,関係者各位からは多大のご協力とご激励をいただき,とくに編集委員各位には精力的なご活躍をお願いいたしました。
 執筆者の皆さまには,ご多忙な本務のかたわらで,なみなみならぬご苦労をおかけしましたことを深く感謝いたします。
 本史の編集に当たりましては,広島大学石田寛教授のご監修をいただき,また林正夫氏には総体的な添作をわずらわせました。ここに特記して深謝いたします。
 おわりに,本史の刊行に多大のご協力をいただきました岡山県農協印刷株式会社に心からお礼を申し上げます。