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インターネットの利用

インターネットとは

1997年1月現在、全世界で登録されているホストコンピュータ(Internetに直接つながっているコンピュータ)の数は約16,000,000台です。 日本で登録されているホストの数は約740,000台です。 これは、あくまでホストの数のみですので実際に利用している人はこの数の3倍以上と言われています。

インターネットの歴史

1960年代後半、軍事目的の「ARPAnet」をルーツとしています。 これは攻撃を受けた時、一部のシステムが破壊されてもダメージを最小限に抑えれるよう情報を分散して設置し、 それぞれを通信で結んで機能を発揮することを目的としたものです。
コンピュータ同士を結ぶ場合、同じコンピュータとは限らないので、統一した規格が必要となります。 (当時は、ソフトの利用料が高く、実際には難しかった。 そのころUNIXが発表されコンピュータが違っても同じソフトが使えるのに着目し通信機能を作り上げた)
その後、これとは別にNSF(全米化学財団)が、このネットワーク方式に注目し学術を目的としたネットワークを考え(スーパーコンピュータを利用するため)、 1979年「CSnet(コンピュータ科学研究ネットワーク)」として設立され、86年に「NSFnet」として発展しました。 NSFnetは、大学間を結んでネットワークをつくり(直接、スパコンと結ぶとコストが高い)、情報を共有する事を可能にしました。
この間、ARPAnetとCSnetが接続されていたが、この頃にはIBM、DECといった企業では独自のネットを構築。
ARPAnetは、軍事目的部分を分離し「MILNET」として独立し、残りの部分はNSFnetへと吸収(89年)されました。このころWWWとモザイクが登場しインターネットの普及に拍車がかかりました。
また、企業を中心とした「CIX(キックス)」も接続され、今日の「Internet」となりました。(学生時代に使ったインターネットが利用できない事に不満)
商用化への開放をきっかけに、接続業務を売り物にするプロバイダーが誕生した。

インターネットの基本機能

電子メール(E-Mail)

コンピュータ同士で文字やメッセージを電子的な形式にして送りあうための手段です。
電子メールは、インターネットの代表的な機能の一つですが、その利用はインターネットに限らず、パソコン通信や別なネットワークでも利用されています。
現在では、パソコン通信等もインターネットに接続されているので、その範囲はインターネットだけの世界より更に広範囲なものとなっています。
また、MIMEという形式に互いの電子メールソフトが対応していれば、文字情報でなくファイルも同時に送ることも可能です。
利点としては、どんな遠くでも瞬時に送れる事と、相手の都合に制限されないということです。
欠点は、相手がメールがきている事を確認しなければならない事です。

端末(Telnet)

自分が使っているコンピュータから、遠隔地のコンピュータを利用できる (実際にはそのコンピュータの利用資格が必要、パソコン通信とかに利用可)

ファイル転送(FTP)

他のコンピュータ(サーバー)から、ファイルを取得するためのファイル転送のこと。 telnetと同じく、相手先のコンピュータに利用資格が必要。
ただし、プログラムの取得が自由にできる、アノニマウス(匿名)と呼ばれるサーバーもある。
例としてはボーイング社や川崎重工が飛行機の設計に用いるCADデータ(設計図)の受け渡しに利用したりしている。
最近では、アノニマウスサーバーによるソフトやOSのバージョンアップにも利用されている。

マルチメディア検索(WWW)

文字、画像、音声、動画等を扱うことのできる情報検索システムで、 この仕組みによりインターネットの爆発的普及のきっかけになりました。
WWWの基盤となっているのが「ハイパーメディア」です。 ハイパーメディア形式の文章とは上から下の一般的な文章と異なり、 他の文章と結び付いていて文章中をあちこちジャンプでき、自分の好みの順に文章を読んで行くことができます。
情報を表示するには「Mosaic」や「Netscape Navigator」(最近では、「Internet Explorer」)といったブラウザーというソフトを使い、 ホームページと呼ばれる「ハイパーメディア」形式の文章を画面上に表示します。
WWWの原形は、1989年にCERN(セルン、サーン、/ヨーロッパ素粒子物理研究所)のT.B.Leeによって開発されました。 その後、米国イリノイ大学NCSA(National Center for Supercomputing Application)で、モザイクが開発され、 文字、画像、音声等が利用が可能なWWWが完成しました。

電子会議/ネットニュース(NetNews)

インターネット上に電子会議室や電子掲示板をつくり共通の話題について複数の人々と情報のやり取りができるしくみのことです。
また、各ネットニュースにはFAQ(よくされる質問)といったものが設定されている場合が多いので、質問を投げかける前に確認をしましょう。

電子会議/メーリングリスト

共通の話題について関心のある人達同士で情報を交換しあえるしくみで電子メールを使って行います。 参加するには、管理者に電子メールを送ってリストに登録をしてもらいます。 このリストに電子メールを送ると登録されている人達に同時に電子メールが送られます。

その他

Cu-SeeMeと呼ばれるテレビ会議システムやインターネットフォン等、様々機能があります。 インターネットではTCP/IPという共通の規格を守れば、誰でも新しいソフトを開発して公開することができるので、 現在でも次々と新しい機能を持ったソフトが誕生しています。

インターネット接続方法

ダイアルアップIP接続

・必要時にサービスプロバイダに電話回線を介して接続する。
・接続中はインターネットの全てのサービスを利用できる。
・プロバイダーの接続料金の他、電話代がかかる。

専用線接続

・常時、Internetに接続されている。
・サーバーを設置し、常に情報の発信が可能。
・接続料が高価で個人の利用は負担が大きすぎる。

LAN(Local Area Network)

・大学や企業がLANが組織内にLANを設置し、そこからInternetへ接続。
・接続の方法はダイアルアップIP接続と専用線接続が主流。

パソコン通信接続

・パソコン通信のホストを介して接続。
・以前は電子メールのやり取りとネットニュースの利用位しかできなかった。
・現在はダイアルアップIP接続がほとんどのパソコン通信会社で利用できるのでほとんどの機能が利用できる。

利用目的

インターネット上の不特定多数の利用者に対し情報を提供する情報発信と 情報を取り込んで利用したり、情報を共有したりする情報利用/共有があります。

情報発信

・企業の紹介
・求人広告
・商品のカタログ
・製品サポート・Q&A
・市場の調査
・電子出版(電子書籍)
・ニュース(新聞)
・アンケート調査
・ボランティア

情報共有/利用

・電子メール 電子メールによるコミュニケーション、ファイルの共有
・データベース利用 仕事に役立つ情報の検索、データの二次利用
・グループ会議 遠方の人とのコミュニケーション。時間と距離の克服
・個人/家庭での利用 買い物、遊びの情報

日本のインターネットの今後