既刊の紹介肉用牛繁殖経営診断のまとめ平成11年

肉用牛繁殖経営診断のまとめ 平成11年

W 成雌牛1頭当たり所得階層間比較 

 調査25事例のデータを、成雌牛1頭当たりの所得で10万円未満及び10万円以上の2つの階層(以下、順に下位階層、上位階層とする)に分けて集計したものが表4、表5及び表6である。
 各階層に属する農家戸数は、下位階層が16事例、上位階層が9事例であった。
 両階層の経常所得の差は116千円で、このような大きな差が生じた要因は、上位階層では、平均分娩間隔が短く、成雌牛1頭当たりの子牛販売保留頭数が多いうえに、子牛1頭当たりの販売価格が極めて高いことがあげられる。また、成雌牛1頭当たりの生産原価は上位階層の方が高いが、労働費を除くと上位階層の方が低くなっており、販売子牛1頭当たりの出荷成績を比較しても、すべてにおいて上位階層が優れている。

* 年度別及び個別の成績は表7から表14のとおりである。
* 集計(診断)するにあたって次のように取り決めた。
 ・ 労働力=1人=2,200時間とした。家族労働時間÷2,200時間で労働力員数を算出した。
 ・ 労働単価=800円/1人・1時間とした。家族労働費=家族労働時間×労働単価で算出した。
 ・ 家畜評価 17ヵ月を指数1とし、指数1=140,000円で評価した。自家保留は8ヵ月齢とし、304,000円で評価した。成雌牛は初回種付時に固定資産に振り替えた。
 ・ 減価償却=大蔵省令に基づく