既刊の紹介肉用牛繁殖経営診断のまとめ平成12年

肉用牛繁殖経営診断のまとめ 平成12年

4.子牛販売価格

 図16に診断農家の子牛販売価格及び岡山県経済連総合家畜市場(以下、市場とする)の子牛売買価格の推移を示した。市場価格の推移についてはTの経営環境で述べたとおりであるが、診断農家 の販売価格も市場価格にほぼ同調した推移を示している。平成7年度の診断農家の子牛販売価格は雌( 291千円)、去勢(322千円)ともに市場平均(雌301千円、去勢360千円)を下回っていたが、平成9年度以降は市場平均を上回る販売価格となっており、平成 11年度(雌313千円、去勢379千円)では雌が24千円、去勢が13千円市場平均を上回っている。また、平成 11年度は前年に比べて去勢は2千円高くなったが、雌は29千円安くなっており、その差は67千円と開いている。


図16 診断農家の子牛販売価格及び市場の子牛売買価格の推移

 図17に雌、図18に去勢の子牛販売価格の分布を示した。雌の平均は 313千円で、250〜300千円台が8事例(34.8%)と最も多く、続いて300〜350千円台の7事例(30.4%)となっている。 去勢の平均は379千円で、350〜400千円台が9事例(39.1%)と最も多くなっている。
ここで、子牛販売価格が雌で400千円以上、去勢で450千円以上の診断農家を見ると、すべての農家に共通して、育種価や肥育実績を活用した繁殖雌牛の整備、市場性の高い種雄牛精液の確保及び交配の研究に努めていることがあげられ、このことが子牛販売価格の向上につながっている。また、日齢体重を見ると発育も良好で、哺育育成技術の高さも見逃せない。


図17 診断農家の子牛販売価格(雌)の分布

図18 診断農家の子牛販売価格(去勢)の分布