既刊の紹介肉用牛繁殖経営診断のまとめ平成12年

肉用牛繁殖経営診断のまとめ 平成12年

2.成雌牛飼養規模

 図12に診断農家1戸当たり成雌牛飼養頭数の推移を示した。診断農家の成雌牛飼養頭数は、平成3年度(7.8頭)から平成7年度(7.7頭)まで8頭前後の規模でほぼ横ばいであったが、診断農家の大幅な変更もあり、平成8年度(10.7頭)では急激な増加となった。平成9年度(12.6頭)以降はほぼ横ばいとなっており、平成 11年度は12.9頭であった。
岡山県の平均は平成3年度の2.7頭から、平成10年度の4.1頭へとゆるやかではあるが増加しており、平成11年度には5.0頭まで増加した。このことは、Tの経営環境で述べたとおり1〜2頭規模経営の減少が最も大きな要因と考えられ、平成 11年度では超大型経営の出現が大きく影響している。


図12 診断農家1戸当たり成雌牛飼養頭数の推移

 図13に診断農家の成雌牛飼養規模の分布を示した。5〜10頭規模層が11事例(47.8%)と最も多かったが、15頭以上の規模も7事例(30.4%)あり、比較的大型経営が対象となっている。また、5頭未満の経営は1事例もなく、診断農家はすべて県平均を上回っている。
ここで、成雌牛飼養規模が最大(41.8頭)の診断農家を見ると、平成元年、成雌牛の導入等により8頭規模から一気に16頭規模まで増頭し、その後は自家保留を中心に徐々に規模拡大をはかり現在の頭数に至っている。また、広大な放牧地(1,660a)の有効利用による飼養管理の省力化や低コストフリーバーン牛舎の建設が現在の規模を可能にしている。


図13 診断農家の成雌牛頭数規模の分布