既刊の紹介肉用牛繁殖経営診断のまとめ平成13年

肉用牛繁殖経営診断のまとめ 平成13年

W 成雌牛1頭当たり所得階層間比較 

 集計対象19事例のデータを、成雌牛1頭当たりの所得で10万円未満及び10万円以上の2つの階層(以下、順に下位階層、上位階層とする)に分けて集計したものが表7、表8及び表9である。
なお、階層分けの基準額は、診断農家の経常所得が100千円前後で推移していることによる。
 各階層に属する農家戸数は、下位階層が8事例、上位階層が9事例であった。
 両階層の経常所得の差は67千円で、前年度の経常所得の差129千円と比べてかなり小さくなっており、U、6、3)の経常所得の項で述べた経営の底上げの結果、以前ほどのばらつきが無くなったと思われる。よって、例年ほど上位階層と下位階層の間に顕著な傾向が見られないが、上位階層は、所得増加に係る売上高及び営業外収益がともに大きく、所得減少に係る当期生産費用、販売管理費及び営業外費用が全て小さくなっている。ただし、上位階層は労働力1人当たりの成雌牛飼養頭数が大きいため、労働力1人当たりの経常所得の差は1,603千円も開いている。

※ 年度別及び個別の成績は表10から表17のとおりである。
※ 集計(診断)するにあたって次のように取りきめた。
・労働力=1人=2,000時間とした。家族労働時間÷2,000時間で労働力員数を算出した。
 (なお、平成10年度までは労働力=1人=2,200時間)
・労働単価=800円/1人・1時間とした。家族労働費=家族労働時間×労働単価で算出した。
 ・家畜評価 17ヵ月を指数1とし、指数1=140,000円で評価した。自家保留は8ヵ月齢とし、
  304,000円で評価した。成雌牛は初回種付時に固定資産に振り替えた。 
・減価償却=大蔵省令に基づく