既刊の紹介肉用牛繁殖経営診断のまとめ平成13年

肉用牛繁殖経営診断のまとめ 平成13年

2.成雌牛飼養規模

 図13に診断農家1戸当たり成雌牛飼養頭数の推移を示した。診断農家の成雌牛飼養頭数は、平成3年度(7.8頭)から平成7年度(7.7頭)まで8頭前後の規模でほぼ横ばいであったが、診断農家の大幅な変更もあり、平成8年度(10.7頭)では急激な増加となった。再び平成9年度(12.6頭)以降はほぼ横ばいであったが、平成12年度では前年度に比べて1.0頭増加の13.9頭となっている。
ここで、各診断農家の推移を見ると、19事例のうち18事例(94.7%)が継続事例であるが、その18事例のうち前年度に比べて1頭以上増加したのは7事例(36.8%)、一方1頭以上減少したのは3事例(16.7%)であった。なお、増加の最大は5.2頭、減少の最大は1.8頭であった。
岡山県の平均は平成3年度の2.7頭から、平成12年度の5.3頭へとゆるやかではあるが年々増加している。しかしながらこのことは、診断農家の11年度から12年度の推移のような規模拡大の結果とは異なり、Tの経営環境で述べたとおり1〜2頭規模経営の減少が最も大きな要因と考えられる。


図13 診断農家1戸当たり成雌牛飼養頭数の推移

 図14に診断農家の成雌牛飼養規模の分布を示した。5〜10頭規模層が7事例(36.8%)と最も多かったが、15頭以上の規模も6事例(31.6%)あり、比較的大型経営が対象となっている。また、5頭未満の経営は1事例もなく、診断農家はすべて県平均を上回っている。
ここで、成雌牛飼養頭数が15頭以上の診断農家を見ると、飼養頭数の拡大に向けて牛舎の改築または増築等を行っており、スペースの有効利用や省力化のために繋ぎ飼い方式やフリーバーン方式を取り入れている。また、放牧場(運動場)を持ち、省力化を図っている事例もあった。


図14 診断農家の成雌牛頭数規模の分布