既刊の紹介酪農経営診断のまとめ平成14年

酪農経営診断のまとめ 平成14年

経営環境

需給動向

全国ベースの生乳生産量は、平成5年まで対前年比伸び続けていたが、平成6年からは酪農家戸数の減少とそれに伴う飼養頭数の減少により、前年を下回る年が続いている。一方、牛乳・乳製品の処理量は、生産動向と同様、平成5年まで、飲用乳消費の好調な伸びを背景に、概ね順調に推移していた。しかしそれ以降、景気の低迷や飲料の多様化等により、飲用乳向け処理量は減少し、乳製品向けも、発酵乳やチーズ向けなど一部で健闘していたが、全般に処理量は減少傾向にあった。
そのような中で平成12年は、6月に加工乳等による大規模な食中毒事故が発生し、その結果、生乳のみを使用した牛乳へ需要がシフトしたことにより、飲用乳向け処理が増加した。しかし、平成13年は乳飲料、発酵乳の需要が戻り、飲用乳の生産が減少した。
 岡山県内の生乳生産量を見ると図1のとおりで、平成2年以降、平成8年を除き減産傾向にあった。この原因は、図2に見るとおり、酪農家戸数の減少とそれに伴う乳牛頭数の減少によるものである。ちなみに、酪農家戸数は、昭和61年以降、平成13年までの15年間で2,020戸から680戸へと1,340戸減少した。これは年平均88戸の減少である。また、飼養頭数も昭和61年の46,400頭から平成13年の26,400頭へと20,000頭減少した。年平均にすると1,333頭の減少になる。特に平成8年以降の頭数の減少が著しく、年平均で1,760頭減少し、8年以降の生乳生産量の低下に大きく影響している。